ロレックスは常人ではとても考えられない発明を実現し、現代にも引き継がれている技術はやはり唯一無二のものでしょう。多くの人の憧れのブランドでもあるロレックスは、文字盤に輝く王冠が相応しい「時計の王様」です。ロレックスの歴史〜前半〜では、ロレックスの3大発明をお話しさせて頂きましたが、後半はその後の話になります。
目次
1953年に発売された2つのモデル
探検家(エクスプローラー)の時計
人類の未開の地へ進もうとする探検家(日本訳:エクスプローラー)のために、ロレックスが開発したのが1953年発表の「ロレックス エクスプローラー」です。探検家の人々が使いやすいよう、実用性を重視し可視性に優れたシンプルなデザインになっているのが特徴です。
この「エクスプローラー」が発表されるまでは、防水性がしっかりとした「オイスター パーペチュアル」などが無難に使われていましたが、探検家が使うとなるとさらに堅固でどんな状況下でも稼働し続ける時計でなければいけません。
「オイスター」の発表時はその防水性を証明するために、時計を着用したままイギリス海峡を泳いで渡ることでその機能性を世間に発表しました。この「ロレックス エクスプローラー」も実用性を証明する為にメディアを使ったイメージ戦略を立てることにしたのです。
「ロレックス エクスプローラー」が発表される以前から「どんな環境にも耐える実験」のためにヒマラヤ登山隊に時計を提供し実験を行ってきました。そしてさらなる目標に定めたのが最高峰エベレストでした。
当時、エベレストは世界で最も高い山として多くの探索家が登頂に挑戦しましたが、成功には至りませんでした。多くの人がエベレストの登頂は人類にとって不可能だと考えていたのです。
そんな中、ロレックスの「ロレックス エクスプローラー」を装備しエベレスト山頂に挑む登山隊がいました。サー・エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイを含むイギリス遠征隊です。
強風、雪嵐、マイナス28℃の環境を耐え、遂に人類で初めての登頂に成功したのです。この長い期間過酷な環境下にあったロレックスは、下山後も問題なく稼働していました。
この人類の快挙と共に「ロレックス エクスプローラー」が報道されると、その実用性に多くの探検家が買い求めたのです。エベレストにも耐えうる時計と太鼓判を押された「ロレックス エクスプローラー」デザイン実用性両方を兼ね備えたこのモデルは現代でも多くの人に愛されています。
ロレックス初めてのダイバーウォッチ
数々の時計を生み出し、ロレックスの時計はデザイン、機能性共に認められてきた時のことです。ロレックスは新たな時計を発表します。1953年に「ロレックス エクスプローラー」を発表し、その直後に「ロレックス サブマリーナー」を発表しました。
このサブマリーナーは、100 m(330フィート)防水を備えるロレックス初のダイバーズウォッチでした。1954年にバーゼルの時計見本市で飾られていたこの「ロレックス サブマリーナー」は、人々の目に新鮮に映りました。
今までのロレックスの時計は煌びやかなデザインやシンプルなベゼルになっていましたが、この「ロレックス サブマリーナー」は今までにないデザインだったのです。
ミニッツスケールを搭載したグリップの良い回転ベゼルはマットブラックのダイアルになっており、この機能を活用することによって自身の潜水時間を計測する事できます。
このベゼルは、反時計回りの片方向のみに回転するベゼルです。これによって時計回りにベゼルが回転する誤作動を防ぎ、水中での経過時間をより確実に計測することができます。
後に発表される「ヨットマスター」のベゼルは両方向に回転するものが採用されていますので、間違えないようにしましょう。
さらに、暗い海の中でも時刻が見えるように特大サイズの夜光インデックスを起用し、夜光塗料を塗布した時針、分針、秒針が光るようになっています。
ダイバーにぴったりなこの時計は、オーストラリア、イギリス、カナダの海兵部隊からの評価が高く、公式時計として選ばれるようになったのです。
技術者に向けたロレックスを
パイロットのためのGMTマスター
1900年代、ライト兄弟が人類で初めての飛行を成功させてから、わずか数十年で航空技術が発達しました。多くの人が国を超えて旅行をするようになり、パイロットの職業は憧れの職になったのです。
そこで、複数のタイムゾーンをまたぐ移動が盛んになったパイロットを悩ましたのが、出発する国と到着する国の時刻が同時に必要になったことでした。
パン・アメリカン航空は、数々の時計を生み出してきたロレックスに問題を解決する時計の作成を依頼しました。そこで開発されたのが「GMTマスター」です。この時計に搭載しているGMT機能を使うと、2か所の時間を同時に把握することが可能になりました。
12時間で1周する時針は、今いる場所の時間を示すことが出来るのです。使い方を覚えるととても便利な機能です。
後に発売される、「GMTマスター2」は回転ベゼルとGMT針を調節することで、3か国の時刻を把握することもできます。
サブマリーナーとターノグラフから受け継いだ回転ベゼルを基盤にし、2色で彩られた24時間ベゼルを搭載。回転ベゼルのカラーリングによってさまざまな呼び方がありますが、初代GMTマスターは昼夜を一目で確認できるように赤青に色分けしています。この色分けが「ペプシコ社」のロゴをイメージさせることから「ペプシ」とも呼ばれています。
現在では、パイロットだけなく航海士や旅行者、アーティストたちに愛されています。現行のGMTマスターⅡやヴィンテージモデルは人気が高く多くのコレクターが収集しています。中古市場でも名前を見ないことはなくその人気が見てわかります。
ロレックス唯一の耐磁ウォッチ
1956年に初代モデルが誕生した「ミルガウス(MILGAUSS)」は、飛行機のパイロットや技術者、医師たちに向けて作られた耐磁モデルになります。遥か昔から機械時計と磁気は相性が悪く、技術者たちは常にこの磁気に悩まされていました。
ロレックスの時計でさえ狂わしてしまう磁気に対してロレックスは本格的に開発を進めます。
そこでロレックスの時計に搭載したのが「高性能磁気遮断システム」です。オイスターケースの中に磁気を防ぐ為にシールドがあり、これはロレックスが厳選した強磁性合金で出来ています。強い磁気に耐えれるこの素材は、磁気を一度引き受け(帯磁)その後外部に受け流すように出来ているので、磁気が時計内部に留まることがありません。
この機構はロレックスが開発する前にも様々なブランドで開発されてきました。しかし、必然的に重く大きくなる為、日常的に使うには難しかったのです。ロレックスはこのデメリットもしっかりと対策し、耐磁ウォッチでありながら日常的に使用できる厚さと重さにデザインし「ロレックス ミルガウス」が誕生したのです。
では、このミルガウスがどのレベルの電磁波を耐えれることができるのかというと、1000ガウス(=8万A/m)の磁気に耐えることができると言われております。
このミルガウスの名前はフランス語で1000を表す“ミル”と磁束密度の単位“ガウス”から出来ています。
モデルによりますが、イナズマ針と言われるギザギザした針が人気です。また、グリーンガラスを起用しているモデルもありますので、普段使っているロレックスと少し違ったデザインを楽しむことが出来ます。
しかし、2023年3月にロレックスの新作発表の影でひっそりとラインナップ外となってしまったモデルになります。ロレックス唯一の耐磁ウォッチですので、今でも人気の高いモデルでもあります。
ロレックスドレスウォッチを発表
輝かしいデイデイト
1956年に発表した「ロレックス デイデイト」は希少な素材や高い技術から生まれたロレックスの最高級の時計です。成功者の証とも言われ、その魅力は多くの人を魅了してきました。
「デイデイト」の一番の特徴というと日付と曜日を表示するカレンダー機構。各曜日に対応した日付を表示できる機構は、当時では珍しくロレックスが生み出した技術でした。3時位置には日付窓があり、12時位置の開口部にフルスペルの曜日が見えるようになっています。
さらに、風防(サファイアクリスタル)部分にはデイト表示を見やすくする為にサイクロップレンズを備えており数字が拡大して見えるようになっています。このサイクロップレンズはデイデイト発売後の他モデルにも採用されるようになりました。
このデイデイトの魅力は技術部分だけではありません。一般の時計に用いられるステンレススティール製ではなく、18kゴールド(金無垢)またはプラチナのみで展開されるモデルになります。特別にデザインされたデイデイトは、ロレックスの最上位ラインとして現代でも人気があります。
様々なモデルが展開され、インデックス部分にダイヤが埋め込まれたものや、グリーンアベンチュリン・ターコイズ・カーネリアンなど文字盤のカラーも豊富になり、自分好みのモデルを選ぶことが出来るようになりました。
レディ デイトジャスト
ロレックスは多くのモデルを発表してきましたが、どれも大きく女性がつけるには大きいサイズでした。そこで、ロレックスは日付表示付きクロノメーター初の女性用モデルを発表しました。
スチール・コンビネーション・ゴールド・プラチナといった様々な素材を展開し、普段から特別な日まで使えるデザインを揃えました。さらに、女性の肌にも合いやすいイエローゴールドやピンクゴールドもあるので、女性に大人気のモデルになったのです。
女性向けモデルの名の通り、28mmとケースサイズが小さく、女性の手首にピッタリのサイズです。また、ダイヤモンドベゼルやシェル文字盤など、輝く華やかなデザインが多いのも特徴です。
2015年から2017年にかけて大きなモデルチェンジが行われ、世界で最も所有率が高いロレックスウォッチがこの「レディ デイトジャスト」です。中古市場でも多く出回っているという点も魅力ですね。
まとめ
数々のモデルを展開してきたロレックスですが、「レディ デイトジャスト」を発表後、創業者「ハンス・ウィルスドルフ」が帰らぬ人となってしまったのです。その後、経営が移った後も多くの人気モデルが発表されてきました。ロレックスのブランドは今もなお多くの人に愛されるブランドです。
時代や人々に寄り添った時計を発表してきたロレックスは、やはりその名の通り「時計の王様」なのかもしれません。
ロレックスの中でも廃盤になってしまったものや、モデルチェンジの為にデザインが変更になったものもあります。正規で購入出来なくなってしまったモデルは中古市場で値が上がる傾向にあります。
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