ロレックスの歴史[前半]

2024年3月27日 2024年3月27日
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ロレックスの歴史[前半]

世界で「時計の王様」とも呼ばれる「ROLEX(ロレックス)」その偉業は最初から認められていた物ではなく多くの苦難を乗り越えて来たのです。その時計の美しさは多くの人の目に芸術品として映ることでしょう。このロレックスの輝かしい歴史についてお話ししていきたいと思います。

ロレックスの歴史

ロレックスの歴史

ドイツで生まれた少年

後に大手時計メーカー「ロレックス」の創業者になる「ハンス・ウィルスドルフ」は、1881年3月22日ドイツのクルムバッハで生まれました。すくすくと成長したハンスですが、12歳の時に母を亡くします。彼の祖父と父が継いできた家業を叔父の手に渡すと、兄弟姉妹と同じ優秀な寄宿学校に入学し青年時代をそこで過ごします。

19歳になったハンスは、時計の技術の最先端だったスイスに移ると時計会社と英語の対応や事務員として働き始めました。これがハンスと時計の初めての出会いでした。3年後、イギリスのロンドンにある別の時計会社に移り僅かな資金を貯めると、1905年に義弟と”Wilsdorf&Davis(ウィルスドルフ&デイビス社)”をイギリスのロンドンで立ち上げました。

しかし、この当時は第一次世界大戦が開戦した為、ドイツとイタリアは交戦状態にありました。ドイツ人であったハンスがドイツ名でつけた社名(ウィルス&デイビス社)はイギリスで営業出来なくなることを恐れ社名を変更することになりました。そこで、どこの国の言語に属さない「ROLEX(ロレックス)」に変わりました。

変わり者の時計

懐中時計

「ROLEX(ロレックス)」を立ち上げたハンス・ウィルスドルフは時計をもっと身近で使い勝手の良いものにしようと考えました。この当時時計といえば懐中時計でした。衣服の中やポケットに入れて持ち歩く懐中時計は紳士の必須アイテムでありましたが、時間を見たい時にパッと見ることができないのが難点でした。

そこで、ハンスがデザインしたのは”懐中時計にストラップを取り付けて手首に巻く”と驚きのデザインでした。今までに無かったデザインで人々を驚かしましたが、当初の時計は防水性もなく露出の高い手首にあることでちょっとした衝撃ですぐに壊れてしまいました。一部の紳士からは時計を手首に巻くなんて…と変わり者が使うものだと揶揄されていたのです。

しかし、ここで機転が起こります。第一次世界大戦時時間をすぐに確認できる腕時計は軍からの需要が高い傾向にありました。この事で最初は否定的であった他の会社も腕時計の作成に切り替えることになったのです。一足先に腕時計の作成に取り掛かっていたロレックスは、更なる技術を腕時計に組み込んでいくのでした。

認められた腕時計

ロレックスの時計は少しづつ知名度が上がってきているものの、時計の精度はまだ低くロレックスの時計は主に女性の装飾品として活用されるばかりでした。これに悩んだハンス・ウィルスドルフは、”W&D”(ウィルスドルフ&デイビス社)設立当初から掲げていたブランドポリシー「精度を最優先にして時計を開発する」ことをもう一度考えます。

これからの人々は多くのアウトドアを経験するだろうと考えたハンスは、船の揺れや温度変化に影響されない、高精度な技術を持った時計の開発に取り組みます。

この機能を「クロノメーター」といい、懐中時計などにはすでにある機能でしたが腕時計にこのクロノメーターを搭載する試みはロレックスが初めてでした。

こうして1910年、腕時計として初めてのクロノメーター認定を獲得しました。これは懐中時計と変わらない性能を持ったと言う証明でもありました。この4年後には、クロノメーター精度の最高の権威であったイギリスのキュー天文台からA級証明書が与えられ、人々から揶揄されていた腕時計が懐中時計の性能を超えた事で、時計製造業界に衝撃を与えました。

クロノメーターA級証明書は、本来渡航用のクロノメーターに与えられるものでしたが、ロレックスはアウトドアで活躍する時計を作成したのです。この時ハンスはまだ30歳にもなっていませんでした。若かったハンスだからこそ時代に囚われないアイディアを生み出すことが出来たのかもしれません。

ロレックスの3大発明

牡蠣の特徴を時計に

ロレックスのオイスターケース

腕時計メーカーとして一つ秀でたロレックスですが、そんなロレックスでもまだ実用的な腕時計を作成できていませんでした。腕時計にクロノメーターを入れた事で、機能性は申し分ない腕時計になりましたが、耐久性面での問題が山積みでした。

アウトドアで使うことを想定していましたが、耐水性がなく水に触れてしまうと中のムーブメントが壊れてしまうのです。さらに普段から手首に付ける事で人間の汗や雨などにも注意が必要でした。

そこで、ハンスが目を付けたのは牡蠣(オイスター)でした。牡蠣はその2枚の貝をがっちりと閉じています。その姿をロレックスに落とし込みました。牡蠣の様に2つのパーツに分け【ガラス(風防)を固定させるベゼル】と【ケースの裏ブタ】をネジ込みがっちりと閉じることで、完全な防水になったのです。さらにリュウズ(時刻・日付調整などを行うパーツ)をねじ込み式にする事で他部分からも水が入らない様にデザインしました。

1926年に世界初となる、完全防水腕時計腕時「ロレックス オイスター」を発表しました。クロノメーターを発表した次に登場した「ロレックスオイスター」はロレックスの3大発明の1つ目で、現代でも多くのロレックスに搭載されています。

「ロレックス オイスター」が発表された翌年、1927年に当時のスイマー、メルセデス・グライツがこの完全防水時計「ロレックスオイスター」を着用し、イギリス海峡を泳いで渡ることに挑戦しました。彼女の挑戦と、本当に完全防水なのか観客の目が釘付けになりました。

結果メルセデス・グライツはイギリス人女性として初めてイギリス海峡を泳いで渡り、10時間以上も水中にあったロレックスは最後まで問題なく完璧に動き続けていました。このニュースは世界中に広まり、ロレックスの名が全国に知れ渡ったのです。

ロレックスの王冠

ロレックスの王冠

ロレックスの時計のモチーフとしても有名なあの王冠のマーク。みなさんもパッと頭に思い浮かべることができると思いますが、この王冠のマークの正式名称はご存知でしょうか?

1931年に発表されたこの王冠のマークは「オイスターマーク」といいます。1926年に発表された「ロレックス オイスター」が名前の由来です。

ロレックスからこの王冠マークの理由や由来などは正式に公表はされていませんが、有名な説がふたつあると言われております。

ロレックスの王冠マークの有名なふたつの説
  • ロレックスを「時計の王様」にする思い
  • 時計を製造する一流職人の5つの指

この「オイスターマーク」は現代でもロレックスの顔として採用されていますが、20回以上のモデルチェンジを行なっています。同じマークでもこだわりを感じることのできるのがこの「オイスターマーク」だったのです。

自動巻き機構

ロレックスのオイスターパーペチュアル

「ロレックス オイスター」と「オイスターマーク」が発表され多くの人がロレックスのファンとなりましたが、ここで一つ問題がありました。完全防水である初代オイスターですが、当時の機械式腕時計は時計を動かす為にゼンマイを巻き上げないといけませんでした。

その為、防水性のあったねじ込み式のリューズを緩めゼンマイを巻いたのです。しかし、そのリューズを緩めたことでリューズの閉め忘れによる故障が頻発しました。閉め忘れだけでなく、開けた際の僅かな時間で湿気や汚れが時計内部に侵入する可能性を高めてしまいました。

ハンスは、リューズの開閉頻度を下げる事で解決しようとした問題ですが、リューズを使わず、ムーブメントが自動的に巻き上げられる方法に深く悩みました。そこで思いついたのが「自動巻き機構」です。懐中時計では、18世紀頃にすでにあったと言われる自動巻き機構ですが、腕時計では上手く稼働することが出来なかったのです。

幾度となる実験と研究を重ね、1931年やっとの思いで完成させたのが「パーペチュアル」です。ロレックス3大発明の2つ目になります。

手首の動きでローターが360度回転する世界初の機構は、永遠を意味する「パーペチュアル」と名付けられました。その後「パーペチュアル」の特許を取得すると、「オイスターケース」と組み合わせ、オイスターパーペチュアルが誕生しました。

ロレックス40周年記念

ロレックスのデイトジャスト

ロレックス3大発明の最後の一つが「デイトジャスト機構」です。その名前の通り、日付が夜中の0時丁度に変わることから、デイト(日付)ジャスト(ちょうど)と名付けられました。

日付が変わる時計は過去にもありましたが、夜中の0時に一瞬で日付が切り替わるのはロレックスの発明だったのです。さらに、3時のあたりに日付窓があるデザインはこのデイトジャストが先駆けと言われております。

このロレックス40周年記念すべき時代に発表された「デイトジャスト」ですが、発表の前年1944年にハンスと共に夢を追い求めた妻のフローレンスが急逝した為、40周年の記念すべき年にロレックスはお祝いのムードにはなれなかったのです。

そんな中、発表されたデイトジャストは、ロレックスの3大発明が全て搭載されており機能性はもちろん、デザインもドレスウォッチ(会食やパーティーな度で活躍するデザイン)ですので、多くの人がデイトジャストを求めました。

ロレックスの背を押すように多くの時計が売れ、著名人だけではなくあらゆる人につけてもらえる時計となったのです。このデザインは今も変わらず70年以上の歴史を持ったロングセラーコレクションです。

まとめ

現代では「時計の王様」とも呼ばれるロレックスですが、長い歴史の中で多くの苦難に立ち向かっていたことが分かりますね。有名なロレックスが設立当初は「変わり者の時計」と呼ばれていたなんて驚く方も多いかと思います。

多くの人に愛されてきたロレックスは男女問わず憧れの時計ブランドです。ロレックスはその人気ゆえに安易買えるものではありません。人気のモデルになると数年待ちはよくあることです。さらに、モデルチェンジや廃盤もあることで、日々目まぐるしくその相場は変動し続けています。

そんな中、様々なモデルに気を取られていると、いつの間にか使わない時計が出てきてしまった。と言う話は良くある事です。昔購入したけど、今はあまり着けなくなってしまったな…。そう思ってしまった時は一度整理を考えてみませんか?

買取おりづるでは、ロレックスの買取を強化しています。昔買ったロレックスも価値が購入時よりも上がっている事があります。ロレックスは時計ブランドとして、アウトレット(大量仕入れによる安売り)は一才ありません。その為、昔のモデルや廃盤になってしまったモデルを正規店で購入する事は不可能に近いです。

昔のモデルや希少価値が高いロレックスなどは使い古した物でも、傷が付いてしまった物でも価値が上がる傾向にあります。

直感で売る事は出来るかもしれませんが、後からの後悔にも繋がってしまうかもしれませんので良く考えて整理をする事をお勧めします。そして、ぜひ一度買取おりづるでご相談をしてみませんか?ロレックスの思い出と一緒にご来店ください。

お客様の一番近い立ち位置で一緒に売買について考えれたらと思います。時計の買取実績が豊富な私たちだからこそ、どこにも負けない買取価格をご案内致します。経年劣化や傷などがある場合も、処分してしまう前に一度ご相談ください。

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