繊細なデザインと優れた品質で人気の高い「オメガ(OMEGA)」。日本でも多くの著名人が愛用するほどの抜群の知名度と人気を誇るブランドです。オメガの偉大な歴史と時計の発明を知ることによって、より一層オメガを好きになるはずです。今回は、オメガの歴史について詳しくお話をしていきたいと思います。
目次
オメガが生まれるまで
スイスで始まった時計工房
オメガの歴史が始まったのは、スイス時計製造業の代表的都市である「ラ・ショー=ド=フォン」。1848年6月に23歳だった「ルイ・ブラン」が懐中時計の組み立て工房を開いたのがオメガの始まりでした。
当時はまだオメガという会社ではありませんでしたが、この工房がオメガの礎となったのです。コツコツと丁寧に時計の組み立てを行っていた「ルイ・ブラン」を見て育った息子たちも同じ夢を追うようになり、1877年に、ルイ・ブランの息子「ルイ=ポール・ブラン」と共に、工房だけではない『ルイ・ブラン&フィルズ』という名で会社を設立しました。
しかし、2年後の1879年にルイ・ブランはこの世を去りました。ひとり残された「ルイ=ポール・ブラン」ですが、ここにルイ・ブランの三男「セザール・ブラン」が経営に関わることになり、翌年に工場を、スイス”ビエンヌ(ビール)”に移すと、機械製作による部品作りから組み立てまでを一貫して行える体制を作りあげたのです。
組み立てるだけだった工房から自社一貫生産を開始する会社になったのは、「セザール・ブラン」の成した偉業と言われています。
ビエンヌに移転した5年後、ブラン兄弟は最初の量産型キャリバー”ラブラドール”を製造します。父の残した技術を受け継いだ二人は、優れた性能のキャリバーを製造することができたのです。この初期に築かれた地盤が、数十年のうちにトップブランドへと導く道になりました。
世界に革命を起こす「ミニッツリピーター」
量産型キャリバー”ラブラドール”の制作で成功を得たブラン兄弟は、世界で初となる「ミニッツリピーター付き腕時計」の作成に取り掛かります。ミニッツリピーターとは、「鐘を鳴らして時刻を告げる」ものです。
この技術を腕時計に組み込んだ会社はなく、成功すればそれは世界の時計業界に革命を起こすことができるものでした。そして試行錯誤故に完成させたのが、1892年に発表された「腕時計型ミニッツリピータ」です。
時間を表す時は高い音、分を表す時は低い音に分類され、文字盤を見なくとも時刻を判断することが可能になりました。その為、暗い夜間でも時刻を知る事が可能になったのです。さらには、目の不自由な人や暗い鉱山などで働く人にも重宝する実用性の高い機構でした。
後にこの高い技術は、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーに並ぶ「三大複雑機構」の一つとして数えられるようになったのです。
「ミニッツリピーター」は暗いところで実用的になりますが、現代では電球の普及によってどこでも明るくなった為、使用する機会はめっきり減りました。しかし、現代でも嗜好性を強めた機構として様々な時計で搭載されることがあります。
熟練職人の高度な技術を要するため価格も高騰しますが、その美しい音色は時計愛好家も納得するほど特別なものです。
オメガの始まり
オメガ(OMEGA)の誕生
ミニッツリピーターで知名度を得た『ルイ・ブラン&フィルズ』。1894年には、高品質の新型ムーブメント「19 ライン キャリバー」を発表します。「19 ライン キャリバー」に搭載された新型ムーブメントは、後の時計ムーブメントの基準になる事になりますが、それだけではありません。
この新型ムーブメントは、世界中どの時計職人でも手を煩わせる事なく取り替えることのできる様になっていたのです。長い間、時計の組み立てを専門にやってきた『ルイ・ブラン&フィルズ』だからこそ、時計の会社ごとに部品の交換がままならなかった事に気づけたのかもしれません。
ブラウン兄弟は、「19 ライン キャリバー」を発表し、この時計に「究極」という意味を込めて、ギリシャ文字の最後に登場する文字から「オメガ(Ω)」と命名しました。「オメガ(Ω)」の名前が広まると、1900年に開催されたパリ万博展覧会にてグランプリを受賞し、続けてジュネーブで開催されたスイス国際見本市で金メダルを受賞。
ヨーロッパ各国で「オメガ(Ω)」の知名度が上がり、翌年にはベルギーで開催された世界博覧会でグランプリを受賞する事になったのです。これによって『ルイ・ブラン&フィルズ』は社名を「オメガ(OMEGA)」に変更し、新たなる道を進むことになりました。
正確な時を測る時計
オメガの知名度が国内を超えて広まると、オメガにとってはこの上ない機会が訪れます。それは、「オリンピックの公式タイムキーパー」にオメガが選ばれたのです。
オリンピックは一流のアスリートが出場する世界最大級のスポーツ大会です。 その為、時間を正確に測る時計は必須です。公平であるだけでなく、1秒のズレさえも許されない大役を任されたオメガは、期待通りの結果を出せました。
それ以来、1932年ロサンゼルス大会から28回ものオリンピックでオフィシャルタイムキーパーを務めるほどになりました。現在オリンピック大会で実際に使用されているコンマの世界を計測する最先端の技術はオメガの技術に拠るところが大きいのです。
また、テレビ画面にタイムを重ねて表示する「オメガスコープ」と呼ばれる技術も、水泳選手自らの手でタイマーを止める「タッチパネル」など、今ではスポーツ大会で普通のように使われている技術も、オメガが開発し、オリンピックで導入されたものなのです。
数々のモデルを生み出していく
世界初のダイバーズウォッチ
オメガが時計ブランドとして史上初めてオリンピックの公式タイムキーパーに選ばれた1932年にオメガはもう一つ世界で初めての試みに挑戦していました。それが世界初の一般向けダイバーズウォッチ、”マリーン”の市場展開です。
マリーンと称されたこの時計には、オメガの巧みな技術を使用しています。ダイバーズウォッチとなると時計内部に水が絶対に入らないようにしなければなりません。その為、オメガは特許を取得したダブルケースをコルクで密封する構造を作り、見事に防水の腕時計を完成させたのです。
この時代では、135m防水という圧倒的な防水性を誇った時計はなく、”マリーン”は瞬く間に人気を集めることとなりました。
そして、このマリーンの誕生から16年後の1948年、オメガは更なる改良を重ね、ついにオメガの永遠のシンボル「初代シーマスター」が誕生しました。1948年はオメガにとっても特別な年でした。「オメガ(Ω)」が歴史に名を刻むようになってから、100周年だったのです。
その記念すべき年に、今ではオメガのアイコンとも言える「シーマスター」を発表し、多くの人の関心を買ったのです。発売前では、この時計は”軍用ウォッチ”を想定して作られていましたので、陸/海/空どこでも使えるように設計されていました。
このことから、世界初のダイバーズウォッチでしたがシーンを限られることなく使用できる時計になったのです。
オメガ初のメンズドレスウォッチ
現代の女性に人気の高いモデル「デ・ヴィル」ですが、発売当時ではもともとオメガシーマスターシリーズのラインナップのひとつとして誕生しました。それまでオメガといえば、厚みのあるフォルムのケースに包まれた頑丈な機械時計という感じでしたが「デ・ヴィル」は打って変わってクラシカルで繊細なケースデザインと美しい文字盤。
洗練された大人のおしゃれというコンセプトでフォーマルにもカジュアルにもスポーツシーンにも適応できるモデルだったのです。発売時では、オメガの性能がシーマスターで証明されていたので繊細な仕上げとデザインが組み合わさったことで大きな注目をあびたのです。
シンプル故の美しさ、さらに多くのバリエーションを揃えたことで「シーマスター デヴィル」から7年後にはシーマスターから完全に独立し新たなライン「デ・ヴィル」として誕生したのでした。
ちなみに、モデル名はフランス語で都会や街を意味する「デヴィル(de ville)」からきていますが、英語の「デビル(悪魔)」と似たような発音だったため勘違いしてしまう事の多いモデルです。
しかし、「デ・ヴィル」の裏蓋にはしっかりと都会の街並みを表したようなデザインが描かれております。オメガは都会の街並みにも合うようなデザインを目指していたのかもしれませんね。
宇宙を目指したクロノグラフ
人類の宇宙開発は急速に進められ、宇宙の過酷な環境に耐えれる時計を「NASA」は求めていました。そこで「NASA」は、様々な時計ブランドに開発を頼みました。それが、1969年のことです。
この時「NASA」は、オメガ以外にも「ハミルトン」「ロンジン」「エルジン」「ブローバ」さらに時計の王様とも言われる「ロレックス」が依頼されていました。この10社のうち、最終評価テストに進んだのは、「オメガ」「ロレックス」「ロンジン」の3社でした。
ロレックスは「コスモグラフ デイトナ」を提出しました。名前にも「宇宙」といった名称をつけていることから、ロレックスも本気で挑戦していたことが伺えます。しかし、この挑戦に見事選ばれたのが「オメガ スピードマスター」だったのです。実はこの時計もともとはカーレーサー用モデルで最初から宇宙を意識してはいなかったと噂があります。
カーレーサー用モデルであればそのモデル名も少し納得ができますね。何はともあれ、宇宙に行くことに選ばれた「オメガ スピードマスター」は、その後スピードマスターといえば”宇宙”というイメージになったのです。
現代でも、「オメガ スピードマスター」は多くの人に人気のあるモデルでもあります。オメガと言ったらまず「スピードマスター」の名が上がるにも、やは立派な功績があったからなのかもしれませんね。
まとめ
長い歴史だけではなく、多くの功績を残してきた「オメガ(OMEGA)」。究極を追求する彼らの時計は現代でも多くの愛用者に求められているブランドです。正確な時を刻み続けるオメガの時計は時代とともに変化していますが、その人気は衰えることはなく古いオメガ時計は「ヴィンテージ」として価値が上がっているものが多いです。
さらに、廃盤になってしまったものや、モデルチェンジの為にデザインが変更になったものもあります。正規で購入出来なくなってしまったモデルは中古市場で価値が上がる傾向にあります。
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