私たちの身近にある「仏具」先祖代々引き継いでいる方も多いのではないでしょうか?しかし、この仏具が不要になり手放す人も増えているのも事実です。
仏具の中には、貴金属でできているものもあり売却にあたり税金がかかるのか知りたい方も多いはずです。今回は、仏具の売買にかかる税金について詳しくお話しをしていきたいと思います。
目次
仏具と金
仏教と金の関わり
仏具と金は一見何も関わりもない様に見えるかもしれませんが、実は密接な関係があることをご存知でしょうか?
仏教では、極楽浄土は阿弥陀如来が住む浄土で、その景色は金色で輝いているそうです。お寺などで金色に輝く装飾は、決して華やかにする為だけではありません。
仏具などに「金色」が選ばれる理由には、金の特性が関係していると言われています。金の色は長い年月を経ても変わることがなくその美しさは変わりません。
「浄土」と「金」この二つには決して色あせることのない「不変」が共通しています。その為、”不変”の意味を持つ金が仏具に選ばれるのはこういった理由があったのです。
金が使われる仏具〜おりん〜
さて、金と仏具には密接な関係がある事を知って頂けたかと思います。では、実際金が使われる仏具はどんなものがあるのでしょうか?
金製の仏具の中で、一番メジャーなのが「おりん」です。おりんは、金属のお椀のような形をしており、りん棒で叩いて「リーン」「チーン」などの音を鳴らします。
小さい頃、仏壇などに置かれたおりんを何度も叩いて怒られてしまった方も多いのではないでしょうか?
通常の「おりん」の素材は「真鍮」「シルジン青銅」で出来ています。澄んだ音と伸びが良い響きが特徴になっています。
色はシルバーの様な色から、メッキを施し金色に仕上げたものまで様々です。金とは違い持ったときにそこまでの重量は感じることができません。しかし、価格は金よりも格段に低く購入しやすいのがメリットでもあります。
そして、おりんの中でも最高級のお品物が「金製のおりん」です。
流通している金製のおりんのほとんどが18金で出来ていますが、中には純金製のものもあります。
このおりんに「18金」が使われる理由として、りん棒で叩く際に純金だと金の特性状柔らかすぎる為、適度な硬さを持った「18金」が選ばれています。通常のおりんよりも残響音が極めて長く柔らかい音色が人気の理由です。
持った時に、見た目以上の重みを感じることができます。これも金の特性の一つですね。金製のおりんは、低くても数百万〜中には数千万円に上るお品もあります。高額なお品物ですが、先祖代々引き継ぐものとしては良いのかもしれません。
金が使われる仏具〜仏像〜
金製の仏具の中でも、一際輝くのが「仏像」です。金色に輝く仏像の姿を見ると誰しもが息を呑み込むでしょう。
金の輝きから、派手派手しいと感じる方もいるかもしれませが、仏像は本来”釈尊(しゃくそん)”の姿を手本にして作られております。釈尊の体には全身が金色に輝く「金色相(こんじきそう)」という特徴がある為、金で作られていることは正しい事なのです。
信仰の象徴とも言われる仏像は、仏具の中でも重要な品でもある為「おりん」や「線香立て」より「仏像」を優先に金で作られる方が多いです。
おりんと同じく、金の特性から純金よりも硬さのある18金で作られることが多く細かい装飾がとても美しい品物です。
金で作られた仏像は、他の金属で作られた物とは違い錆びることや劣化することもなくその言葉の通り「不変」のものですので、子に孫に引き継ぐことができます。
しかし、日本では金や価値がある物の相続に関して「相続税」がかかります。その為、金製でできている仏具は相続財産がかかる恐れがあるということです。「先祖を供養するための仏具は、相続税は課税されない」と言われることがありますが、実際はどちらなのでしょうか?
仏具と相続税
課税対象となる仏具
「信仰対象である仏具には税金がかからない」というのは半分正解で半分不正解と言えるでしょう。まず相続税というのは、亡くなった親や配偶者などからお金や土地などの財産を相続した場合、その相続した財産に課される税金です。
財産=金製品になりますので、インゴットや金貨など財産としての価値があるものは相続税の対象となる訳です。仏具にも金製のものがありますので、財産としての価値が生まれます。金製のおりん・仏像・蝋燭立て・線香立ては注意が必要です。
しかし、この相続税には非課税財産と呼ばれるものがあります。【墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物】は課税対象になりません。これは、あくまでも先祖や神仏を祀るためのものと国が認めているからです。
どんなに立派で購入時にお金がかかっていたとしても、非課税となります。この事から”仏具には税金がかからない”という誤った知識が広がってしまったのだと考えられます。
ここで注意しておくべきことは、この非課税対象になる仏具は“日常礼拝をしている物”、” のちに売ることを目的としていない物”に限られるということです。
その為、相続税の節税目的で購入した高価な純金の仏像やおりん、その他仏具は課税対象になりますので、節税対策にはなりません。
仏具が非課税になる条件
金製の仏具が課税対象になり安いことはご理解頂けたかと思いますが、先ほども述べた通り、【日常礼拝のために所有し、使用している用具】であれば”祭祀財産(さいしざいさん)”として扱われます。
祭祀財産とは神や祖先を祀るために必要な財産です。その為相続税の対象にはならず、一定の範囲で差押えの対象からも除外されます。
祭祀財産として認められた仏具であれば非課税になります。
この課税・非課税に関しては税務署がしっかりと判断することになりますが、あくまで一例を出すと
課税対象
亡くなった方の遺書に相続財産を使って金の仏具を購入して欲しいと要望があり、仏具を購入した。
非課税対象
本人が生前にローンや借入などではなく現金で一括購入した→”純金仏具”の場合、資産とみなされる可能性があるので、課税対象かは税務署の判断になる
先祖代々と受け継いでいる金の仏像を崇拝し、冠婚葬祭の時にもしっかりと役割を果たしている。
このようになります。生前に通常の仏具を購入した場合は非課税となりますが、金の仏像など本来不要な華美な仏具になると資産価値が高くなるので課税対象の恐れがあるということです。
金の仏具は高く売れる?
仏具に使われている金はどんなもの?
金の仏具は金としての価値も高いので、通常の仏具よりも高く買取ができます。では仏具に使われている金とはどういったものでしょうか?
金の仏具に使われているものは、24金(純金)だけではありません。18金・14金・10金と様々な仏具がります。
24金…金の純度がほぼ100%の仏具
金の純度が高いので最も高額になる仏具。金の色合いがしっかりと感じる事が出来るが、金の特性状とても柔らかい物質である為、落としたり少しの衝撃で壊れてしまう事がある。
18金…金の純度は75%
仏具の中で最も使われる事の多い純度。金の色合いも感じる事ができ硬度も程よくある為壊れにくい。純金よりかは純度が下になるので比べると価格は低くなります。
14金…金の純度は58.5%
純金や18金の仏具に比べると費用を抑えることのできる仏具です。金が含まれているのは約半分になるので柔らかい色が特徴になります。購入時も安く購入する事ができますが、売却時も純度の高い金製仏具に比べると低い傾向にあります。
高く買取してもらえる仏具ってどんなもの?
仏具の買取は相続税などの難しい問題がある為、買取を悩む方は多くいらっしゃいます。しかし近年の金の高騰化によって仏具の需要も増えてきています。
金の仏具は高く売れないと思われるかもしれませんが、実は仏具はデザイン性も評価され高価買取になる場合が多いです。金地金とは違い骨董的・美術的観点から高い仏具は、金以上の価値が生まれることがあります。
仏具の中でも仏像・仏器・香炉・おりん・蝋燭立てなどは、金で作られていることが多いです。その中でも仏像は有名な職人が手掛けた作品も多く、歴史的価値もある為金地金よりも高額でお取り引きをされます。
近年では歴史的価値のある仏具を収集するコレクターも多く、海外では中々見る事のできない繊細な技術が人気に火をつけ世界中のコレクターが欲している製品になります。
代々引き継いでいる仏具で詳細がわからないものもあるかもしれません。付属の箱などがある場合は霧箱などに作者名が書かれている場合がありますが、長い時代引き継いでいく事で紛失してしまう場合もあります。
そんな時は専門の知識を持った鑑定士などにご相談してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
今回は金の仏具についてご説明をさせて頂きました。金の仏具は売れないと思っているお客様が多い傾向にあります。しかし、金の仏具は日本独特の繊細な技術が高く評価される芸術品でもあるのです。
金の仏具の売却は、高額になる場合が多いので「税金がかかるのかしら…」「突然大きな額の税金が届くかも…」そんな不安を感じてしまうかもしれません。そんな時は、ぜひ一度当店にご相談に来てみてください。
当店では、金の仏具の買取実績が豊富です。お客様一人一人に合わせた買取をご提示させて頂きます。
金のおりんや、純金の仏像など「これって本物の金なのかな?」とお悩みの際はぜひお気軽にご相談ください。ご自宅から運び出すのが難しい、持って行く時に壊れないか心配…。仏具の出張買取も行なっておりますので、こちらも合わせてぜひご相談くださいませ。