日本でも人気の高い金。様々なアクセサリーで身につけるかたも多いかと思います。輝く黄金色は現代に至るまで、多くの人を魅了してきました。金は身につけやすく、お手軽に購入できる金もありデザインも様々です。しかし、身につけている金を詳しく知るかたは少ないかと思います。今回は金に関わるお話しをしていきたいと思います。
目次
日本でも人気の高い18金
日本で一番需要の高い18金は、金の色合いを落とすことなく強度もしっかりとしています。純金(24金)は純度が高い金で作られていますが、金の特性でとても柔らかく出来ているので少しの力で歪んでしまったり、傷ついてしまった…ということも。しかし、18金は75%を金で残りの25%の他の金属を混ぜ強度をあげています。
この残りの25%の金属を変えることで、女性に人気のピンクゴールドやホワイトゴールドにも変化します。これによって、ゴールドの印象も変わるので金のギラギラした色がちょっと苦手な方でも金アクセサリーを選ぶメリットになります。
さらに、金の強度を上げながら、金の含有量も減っているので純金の金製品よりも、購入しやすいですね。
18金アクセサリーは海外でも人気がありますので、海外ブランドも18金製品を多く製造しています。海外製品だと日本と違う刻印を押されていますので、見慣れない刻印で戸惑うかたも多いかと思いますが、海外でもよくみる750刻印の金アクセサリーは日本と同じ18金で出来ていますのでご安心ください。
しかし海外で良く見る18Kは、日本で多く輸入された事もあって今でも市場に多く存在します。日本で後K(あとケー)と言われているこの金製品は金の含有量が75%に満たない物がありますので注意が必要です。ではなぜ、金にはKが使われるようになったのでしょうか?
金とイナゴ豆の関係
金の重さはKarat(カラット)で表されますが、このカラットの意味をご存知の方はそんなに多くないかと思われます。ダイヤモンドでもこのイナゴ豆が由来の「Carat(キャラット)」という表記が使われますが同じ重さという意味で付けられています。
金の取引の際に重さが計れなければ、取引することが出来ませんよね。ここで、取引の際重さを正確に計るために用意されたのが、イナゴ豆でした。
大昔では正確に重さを測るために、ほぼ同じ重さであるイナゴ豆を分銅にして計り取引を行なったのです。このイナゴ豆がギリシャ語で『Keration(ケラティオン)』=これがカラットの語源になり、今でも、金にKaratの大文字のKが記載されるようになったのでした。
余談ですが、イナゴ豆は現在でも栽培されており、人間の食べ物だけではなくペットのおやつにもなっております。豆と聞くと、大豆や枝豆などを想像するかと思いますが、実はイナゴ豆は甘い味がするらしくほんのりチョコレート味だそうです。気になるかたはぜひ一度ご賞味ください。
日本の刻印と世界の刻印
日本のK18と海外の750
日本と海外の刻印が違うのは有名ですが、18KとK18の表記は製造国によって違いが見られ、日本国内で製造された正規品では「K18」海外製造品は「18K」と表記されているのが一般的です。
この刻印の他に海外では750や585など数字のみの刻印もよく見られます。日本では馴染みがないかもしれませんが、海外は殆どこの千分率を主体にした刻印になっています。
千分率とは、全量の1000分の1を単位として表す比率であり最大量は1000です。
例にしますと18金は金の割合が75%以上になりますので、海外刻印では750になる訳です。この様に金の刻印は国によって様々であり、しっかりと理解をしておくには越したことはないでしょう。
では、みなさんは金の刻印で「千足金」という金製品の刻印をご存知ですか?日本では、全く見ないこの刻印ですが、しっかりとした金の刻印です。次はこの【足金表記】について詳しくお話しします。
珍しい金の刻印【足金表記】
中国をはじめとする東南アジアでは、足金という表記を使用します。中々日本でお目にかかる機会は少なく、多くの方はこの足金表記を見かけることは少ないかと思います。
この刻印は日本の金の製品に記載されることはなく、主に中国や東南アジアで製造された金の製品に刻印されます。中国や東南アジアから日本に輸入された金製品にこの刻印が打たれていることがあるので、日本で見かけるのは全くないとも言えません。
【足金表記の例】
- 足金(そくきん)=K20相当
- 千足金(せんそくきん)=K22相当
- 万足金(まんたるきん)=K24相当
この足金表記ですが、金の含有量が曖昧であり純度も明確ではないことを注意しなければいけません。売買などは十分に注意をしましょう。
純度刻印以外のホールマーク
金の純度が金製品に刻印されている事はご存知かと思いますが、日本には純度以外の刻印がされていることがあります。これをホールマークといい、品位検査を行った金商品に刻印される印です。
このホールマークというものを最初に始めたのはイギリスです。1300年頃からこのホールマーク制度を開始し、現在では金製品全てにこのホールマークを記載するように決められています。
このイギリスのホールマークは製造元・刻印した年代・場所全てが分かるようになっているのです。金製品を市場に出すには厳しい検査が必須ということです。
日本でも1929年にホールマークが導入され、任意の制度として設けられました。日本のホールマークには、日本の国旗やひし形内に数字が描かれていますのでパッと見ただけでも、すぐに日本製だということが分かります。
この金製品の品位検査を行っているのが【造幣局】です。皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。日本の貨幣やなどを製造している機関です。 この造幣局が金製品の品質をしっかりと検査していますので、市場に出ている金製品はとても厳しい検査に通過したものになります。
勿論、このホールマークがない製品が基準に満ていない訳ではありませんので購入の際のちょっとした目安としてお考えください。
日本と海外の金の価値観
さて、ここまで日本と海外の金の刻印についてお話しをしてきましたが、ここからは日本と海外の金の価値観についてお話しをしていきたいと思います。
日本の金の需要
日本でも金の需要が高く、資産だけではなく最近ですとファッションの一部としても、高い評価を得ています。しかし日本で金の需要が一般の人にも広まったのは、実はここ最近の出来事だったのです。
遡ること、今から30〜40年前のことです。日本ではバブル時代と言われた好景気の時代がありとても煌びやかな時代でした。その頃は今と比べると金相場はものすごく低く、金のアクセサリーは大きく重量があるようなデザインが流行っていました。海外からは多くの金製品が輸入され、日本では金の需要はとても高くなりました。中でも一番人気の高かった喜平ネックレスはバブル時代の象徴です。
喜平ネックレスとは、小豆型の輪をひねり押しつぶしたようなデザインで、光の反射によってキラキラ輝いたネックレスは、多くの人の憧れでした。金の喜平ネックレスなどはこの頃に流行り、男性だけでなく女性もファッションの一つとして、身につけるようになったのでした。
喜平ネックレスだけではなく、金の印台リングも有名ですね。この印台というのは金の太いリングに自身の名前が掘ってあり、これを印鑑として使用するリングを指します。今では考えられないかもしれませんが、外食をして支払いをその都度するのではなく月末にまとめて支払う(ツケ)ことが多く、その時に印鑑の代わりにこの金の印台を使っていたのです。
しかし、バブル時代が消えると共に、日本では金の需要が下がっていき、バブル時代の時のような派手な金装飾は時代に合わないと、段々と姿を消していったのです。このように日本では金の需要は時代によって変化していることが分かります。
世界の金の需要
さて、日本では時代の変化や景気によって金の需要が変化しますが海外はどうでしょうか?金の需要が高い海外では、産出や歴史によってその需要の高さが垣間見えます。
日本の金の需要は景気によって変化しますが、海外ではその全くの逆であり、景気が悪くなると金の需要が高まります。これにはしっかりとした理由があり、金は世界中のどこででも通用しますのでそれ自身に価値がある実物資産になります。
不況でインフレーションが起こると通貨その物の価値は下がってしまいますが、事前に資産を金に変換しておくことでリスクを回避することができます。このため、戦争などが起こった場合大量の資金が金に変換されます。その分、量に限りある金は少なくなっていきその価値は膨れ上がります。
2022年、ロシアによるウクライナ軍事侵攻により世界へ大きな衝撃を与えました。この影響により、かつてないほど金の値上がりを見せています。この値上がりは現在でも右上がりになっていますので世界情勢が金に大きな影響を与えることが分かります。
まとめ
金の需要はこれから今後も高くなっていくことでしょう。しかし、金の産出は年々下がり傾向にありますので、いつの日か金を持つことが難しくなる時代が来るかもしれません。
金の価値が変動に関わる、世界情勢は今も不安定な状況です。資産としての価値がなくならない金の相場は今後も高めに推移すると予想されます。しかし、金の動向を予想するには私たち買取のプロでも難しいです。
その為、金の価値が最高値の時に売却をするのも一つの案だということを考えてみてください。今回は様々な金の需要や刻印について説明してきましたが、金の刻印によっては買取を断られてしまう事もあります。
さらに、刻印のない金製品も市場に出回っていますので、刻印がない=偽物ということではありません。金の買取やお悩みの際にはぜひ、買取おりづるにお持ち込みください。日本製・海外製を問わず金製品の査定をさせて頂きます。