フォーマルシーンに欠かすことのできない「真珠(パール)」。パールは冠婚葬祭には欠かせないアイテムですが、実際どんな真珠が良いのか悩む方も多いかもしれません。今回は魅力あふれる真珠の種類や違いなどをご紹介していきたいと思います。
目次
真珠の種類とそれぞれの特徴
アコヤ真珠
アコヤ真珠とは、アコヤ貝から採れる本真珠の代表格です。しっとりと上品な色合いと、奥深く複雑な輝きが特徴の真珠になります。日本人の肌にもなじみやすく昔からあこや真珠のネックレスやピアスなどが冠婚葬祭に選ばれてきました。
色合いが豊富な為、ホワイト系やクリーム系、ピンク系、グレー系など、さまざまな色合いのアコヤ真珠があります。使うシーンによって選ぶことが何よりのメリットです。
デメリットと言うほどではありませんが、小ぶりなサイズが特徴の真珠になりますので他の真珠と比べると中位のサイズになります。
白蝶真珠
柔らかい輝きを持ち重厚な高級感がある「白蝶真珠」。白蝶真珠は、母貝である白蝶貝が真珠貝の中では最も大きな種類の二枚貝であるため、比較的大きい真珠が採れます。
アコヤ真珠は10mm以上のものは少なく、7~8mmの粒のものが一般的ですが、白蝶真珠は10mm以上のものが一般的で、大きいものになると15mm~20mmのものもあります。
さらに、独特な透明感を持ち合わせた白蝶真珠は、中心にグレーやブルーのような干渉色が感じられます。アコヤ真珠に比べると白蝶真珠は高価なものが多いため一生もののアクセサリーとして購入される場合が多いです。
黒蝶真珠
黒蝶真珠とは、黒蝶貝から採れる真珠で、黒や緑、赤、グレー、ブラウンなど、様々な色合いを持つのが特徴です。7mm~18mmと日常使いできるサイズから、華やかな大粒のものまでありペンダントトップとしても人気があります。
黒蝶真珠はネックレスやピアスなどに人気があり、落ち着きと華やかさを演出できる大人の女性にふさわしい真珠です。形もラウンドは勿論の事、ドロップ、バロックなどバラエティに富んでいますので自分好みの形を見つけることができるでしょう。
淡水真珠
真珠は海で取れる宝石と思われる方が多いかもしれませんが、実は湖や川などの淡水に生息する貝から採れる真珠もございます。主にイケチョウ貝やヒレイケチョウ貝などの大型の二枚貝から採れる淡水真珠ですが、日本では滋賀県の琵琶湖などで養殖されています。
母貝がアコヤ貝よりも大きいので、1つの貝から複数の真珠を養殖することができるメリットがあります。形は楕円形が一般的ですが、ライス、ドロップ、バロックなどさまざまな形があり、現代では様々なアクセサリーに使われることが多いです。
硬質な光沢感が特徴のアコヤ真珠とは違い、淡水真珠の方はやわらかくなめらかな輝きが特徴です。淡水真珠の中でも、良質なものはミラー調になり他の真珠に負けない輝きがある為、アクセサリーとして使うには十分な物になります。
白だけではない真珠のカラー
ホワイト・クリーム
真珠の中で最もポピュラーなカラーがこのホワイトやクリームのカラーになります。冠婚葬祭などフォーマルな場面で幅広く使用できる為、おひとつ持っておくだけで活躍をしてくれるでしょう。
結婚式などでは花嫁と同じ色(白)を身につけるのは良くないとされていますが、ホワイトやクリームカラーの真珠は許されいます。
また、ホワイトパールは、純粋さや清潔さを象徴し、女性らしい優雅さや上品さを引き出すとされています。
美しいホワイトのカラーを持った、シロチョウパールネックレスは、どんなファッションにもマッチするので普段使いからビジネスシーンなどにおすすめです。
さらに、他のジュエリーなどと一緒に身につけても調和を乱すことなく合わせることができますのでおしゃれに身につけることができます。
シルバー・ゴールド
真珠の中でも、華やかなカラーがシルバーやゴールドになります。ホワイトやクリームなどの真珠よりも色が鮮やかで、カジュアルな披露宴やパーティーなどで活躍します。
無地の服装などにもパッと華やかな印象を与えてくれるので、普段使いにもぴったりな真珠です。しかし、ホワイトやクリームなどのカラー真珠よりも、使い道に注意をしなければなりません。「シルバー、ゴールド」などの真珠は華やかな見た目から葬式にはふさわしくない為、身につけるには華やかなパーティーだけにしておきましょう。
ブルー・グレー
エレガントな輝きを放つブルーやグレーの真珠は、ホワイトなどの真珠とはまた違った味わいを感じる事ができます。カラーパールの中でも、冠婚葬祭はもちろん、普段使いにも最適なアイテムで、シーンを選ばずに使う事ができるのがメリットです。
シルバーやゴールド系の華やかなカラーパールは、葬式などには向かないですが、こちらのブルー・グレーのカラーは葬式でも使う事ができます。(明るすぎるカラーはNG)
ホワイト真珠と同じく幅広い使い道から、こちらのカラーを選ぶ方も多いです。
ブラック
カラーパールの中で、ホワイト真珠と同じく幅広い使い道があるのが、このブラック系の真珠になります。黒蝶真珠は、パーティーやお祝いなどの華やかな場でも身に着けることができる、汎用性の高い真珠なのです。
美しい黒蝶真珠は孔雀の羽のような煌びやかな輝きが特徴で、ピーコックカラー(孔雀の羽の色に例えられるグリーンや赤味が現れる色)ほど評価が高く、黒くなるほど評価は低くなります。
結婚式などでも活躍するカラーですが、人によっては黒は喪服などを想像してしまう場合もありますので使い方には注意が必要です。
結婚式などの晴れ晴れしいお祝いの席にはもちろん葬式などでも使う事ができる万能な真珠になりますが、葬儀などお悔やみの席に着用する場合はピーコックカラーの真珠ですと鮮やかな光沢感があるため、マナー違反の印象を与える可能性があります。
真珠の形
ニアラウンド、ラウンド(球)
真珠は「核」という球体を貝類に植え付けて、何重もの真珠層が巻きついて真珠を形成させます。この核を入れてからすぐに真珠が出来る訳ではなく、約1年半かかるとされています。
多くの人が想像する真珠の形は、美しい球体を思い浮かべると思いますが、全ての貝が美しい球体の真珠を作れる訳ではなく中には歪の形の真珠も生まれます。
その為、真珠は球体であるほど価値が高いとされ、形が歪になるほど価値が低くなる傾向にあります。真珠は球体の高品質のものが市場には流れ、私達がよく見る丸い真珠が多くなりますので、皆さんの想像する真珠=丸いという認識になる訳です。
「ラウンド」と呼ばれる真珠は、完全な球形の真珠の形をした真珠です。
「ニアラウンド・セミラウンド」は球体ですが、やや歪んでいる真珠を指します。
「ニアラウンド・セミラウンド」「ニアラウンド」と区別する為に、「ラウンド」をパーフェクトラウンドと呼ぶこともあります。
セッティングの仕方によっては一目見ただけでは「ラウンド」と「ニアラウンド・セミラウンド」の違いは分かりにくい傾向にありますので、悪質な販売店では「ラウンド」と偽って「ニアラウンド・セミラウンド」を混ぜたネックレスなどを販売する場合もありますので注意をしましょう。
バロック
真珠の中でも、形が極端に歪になっている物を「バロック」と呼びます。「バロック」には歪んだという意味を持ちますので、かつては廃棄をされる形でもありました。
しかし、近年ではユニークで形が愛らしいという点と「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点からバロックの真珠をアクセサリーに使用する企業が増えています。
ラウンドの形の真珠は美しい見た目ですが、どこかかっちりとした印象を与える為、バロックはその個性的な形や色味がカジュアルな装いにぴったりです。
この世に二つと同じ形は存在しないというのが大きな魅力でもあります。可愛らしい見た目でパーティなどでは活躍するする一方、冠婚葬祭などでは使う事のできない形になりますので、使い所を注意しなければなりません。
ドロップ
ドロップパールは、涙のようなしずくの形をした真珠で、女性的で愛らしい印象を与えてくれる形になります。
真珠は完全な球体が最も高品質とされ、歪んでいくほど価値が低くなる傾向にありますが、均整の取れた美しい形をしたドロップパールの中にはラウンドパールよりも高い価値が付くものもあります。
ドロップ形の真珠は産出量が少なく、均整の取れたものは中々産出されないからです。バロックパールと同じく、世界に一つだけの形とも表現される事もあり真珠の中でも人気の形になっています。
ドロップ型の真珠は、まるで水滴が落ちるような丸くぽってりとした形が特徴的です。中には、涙型や西洋ナシの型など様々な種類がありますので、自分好みの形を見つける事ができるでしょう。
また、縦長のシルエットの真珠は顔まわりにも合わせやすく、主にイヤリングやペンダントトップとしておすすめの形になります。
まとめ
今回は、様々な真珠についてご説明をさせて頂きました。女性の身近な真珠アクセサリーは冠婚葬祭やパーティーなどでも活躍をしてくれる真珠アクセサリーは何種類あっても無駄にはなりません。
近年では、高価な真珠よりも安く低価格な模造真珠などの販売により、天然真珠の需要が減っている傾向にありますが、やはり模造よりも美しく長持ちのする天然真珠は現在でも多くの需要があります。
真珠のアクセサリーには、様々な種類があり「真珠の種類・色・形・デザイン」によって使い道が異なります。長く愛用のできるものもあれば、使い道に困る真珠アクセサリーもあるという事です。
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