日本でも人気の高い宝石「オパール」。10月の誕生石で有名ですね。角度によってゆらゆらと変わる姿は、他の宝石にない雰囲気を感じることができます。今回は魅力あふれる「オパール」について紹介していきたいと思います。
目次
オパールの歴史
神の石と呼ばれた特別な宝石
オパールの歴史は古く、古代ローマ時代には「神の石」として親しまれていました。オパールの最大の魅力は、赤、オレンジ、黄、緑、青色などの虹彩が角度や光の当たり方によって、多彩に変化する「遊色効果」を持ち合わせていることです。
この現象は、規則正しく配列した粒子に、光が当たるときに生じる独特の揺らめき効果により見ることができます。見た目が変わるオパールは、予知力や洞察力が形になったものだと信じられ、他の国でも天から落ちた稲妻(雷)が宝石になったものだと考えられていたようです。
オパールという名前の語源は、古代インドのサンスクリット語で「貴重な石」を表す「ウパラ」であるといわれています。続いてギリシャ語で「色の変化を見る」という「オパリオス」に変化し、ラテン語の「オパルス」へ。その後、「オパール」と呼ばれるようになりました。
日本や中国でもこのオパールは古くから親しまれており、見た目が”鶏卵の白身”に似ていることから【蛋白石(たんぱくせき)】と呼ばれています。
幸運の象徴である虹を宝石の中に閉じ込めたように見えることから、幸福や希望を表すといわれております。現代でもメキシコでも神事の装飾に使われるなど、世界中で重宝されている宝石です。
世界最大のオパール
これまでに見つかった中で最も高価なオパールの原石は「オリンピック・オーストラリス」と呼ばれる世界最大のオパールです。重さは【3.45キロ(1万7000カラット)】長さ約11インチ、高さ約4.5インチの大きさで、オパールの価値を決める「遊色効果」もしっかりと現れており、時価は130万ドル(約1億九千万円)と推定されていました。
最近では価値が上がり190万ドル(約2億3千5百万)と評価されたのも有名なお話です。
世界中で大きな話題を呼んだ「オリンピック オーストラリス」ですが、実は博物館に展示されていません。代わりに、シドニーのピットストリート18番地にある「アルトマン&チャーニー」のショールームに保管されています。
この「アルトマン&チャーニー」は、シドニーを本拠とした家族経営のジュエリー企業でありオパールのスペシャリストとも呼ばれています。現在でも展示されているため、多くの顧客を惹きつけている”看板宝石”でもあるのです。
様々な種類のオパール
ホワイトオパール
一般的に「オパール」というと、ホワイトオパールを思い浮かべる方が多いと思います。半透明で乳白色の地色に青、緑、オレンジ、赤などの色を持つホワイトオパールはとても美しく「遊色効果」が映えるカラーです。
日本では婚約指輪として広く使われていたことがある宝石だったこともあり、馴染み深い宝石だと思います。「遊色効果」によって同じ大きさのホワイトオパールでも、同じ輝き・遊色をしていることがありませんのでコレクションに多く持っているという方も多くいらっしゃいます。
優しい輝きが上品で落ち着いた印象を感じることのできるオパールは、普段使いから特別なシーンでも活躍します。指輪だけではなく、ネックレスのワンポイントとしても人気のある宝石で、女性からの支持が圧倒的に高いのが特徴です。
ウォーターオパール
「ウォーターオパール」は「ホワイトオパール」とは違い、透明に近い地色に、青色や水色のカラーリングが特徴的です。その名称の通り、まるで水滴のような美しい透明感が人気の理由で「遊色効果」によっては、まるでシャボン玉のような美しい色合いになります。
ウォーターオパールの主な産地はメキシコとオーストラリアで、近年の宝石市場ではエチオピア産のものの流通量が増えています。
透明度が高く遊色効果が美しいものは高値で取引されていますが、ホワイトオパールや他のオパールより価値が低くなってしまう場合も多く、基本的には数万円程度で購入することが可能です。
さらに、ほかのオパールに比べて「ウォーターオパール」は水分量が多く、ほかの天然石よりもデリケートでひび割れやすいのも特徴です。コレクションに加える時は、なるべく慎重に身に着けることをおすすめします。
ボルダーオパール
ボルダーオパールは、オーストラリアのクイーンズランド州で採掘されるオパールで、褐色の鉄分を含んだ薄い母岩が付いたまま研磨されるオパールです。ちなみにメキシコ産だとカンテラオパールと呼ばれます。
あえて左右非対称の形を残し、ゆらゆら揺れる「遊色効果」を楽しむことができるオパールになっています。鉄鋼石の割れ目に流れ込んで形成される為、オパールだけを取り除くことができませんので、母岩と一緒にカットされます。
目を引くような鮮やかな色合いは、コレクションとして宝石愛好家の間で人気に火が付き、現在でも多くの人に愛されています。
特別なカラーを持ったオパール
ブラックオパール
オパールの王と呼ばれるのが「ブラックオパール」です。不透明な黒や濃い灰色を地色として持つオパールの一種で虹色のような多彩な色を放ちます。
地色は暗い色ほど遊色効果がはっきり見られるため、地色がブラックに近づくほど価値が高くなります。
このブラックオパールがオパールの王とも言われる理由は、その美しさと希少さからと言われております。ライトニングリッジでしか産出されないブラックオパールは、色彩や模様に関わらず、すべて「ブラックオパール」と分類されます。
地色が濃く、赤い模様が入っている「レッドインブラック」は、ブラックオパールの中でも非常に希少価値が高く、最高級とされています。しかし、ブラックオパールの産出量は、オパールの総産出量の0.9%程度と言われておりますのでとても希少性の高い宝石です。
ホワイトオパールは女性から人気の高い宝石ですが、ブラックオパールは男性からの人気が高い宝石です。指輪やネックレストップなどにぴったりのブラックオパールは、オパールのコレクションにぴったりの宝石です。
ファイヤーオパール
燃える炎を閉じ込めたような、魅力的な「ファイヤーオパール」。赤やオレンジ、黄色などの暖色系の色合いをしたオパールの一種で、ブラックオパールに次ぐ高級オパールとして知られています。
遊色効果を示すものと示さないものがありますが、遊色してもしなくてもボディーカラーが燃える火の様な赤橙色であれば、ファイヤーオパールとされています。
光の当たり方や見る角度によって炎が揺らめいているような「遊色効果」を楽しむことができ、オパールの中でも人気の高いカラーです。様々なアクセサリーに使われることの多いファイヤーオパールですが、人気の反面非常にデリケートな宝石でもあります。
乾燥・熱・衝撃に弱いという特徴があるので取り扱いには細心の注意を払う必要があります。
オパールを長く美しく使うには?
オパールを持つ上で注意すべきこと
オパールは取り扱いが難しいと言われることがありますが、美しいオパールを長く綺麗に使う方法を鑑定士が教えます。
オパールを水につけない
オパールは宝石の中で唯一水分を吸収するため、水分を吸収すると変色したり割れたりする恐れがあります。水仕事をしたり、汗をかきやすい環境にいたりする場合はオパールを外しておくことをお勧めします。
万が一濡らしてしまった場合は、柔らかい布で水分を軽く拭き取ってから自然乾燥させましょう。この時に乾燥剤などを一緒に入れて乾燥させることは絶対にしないように気をつけてください。
オパールを落とさない
オパールの硬度は、モース硬度スケールで5~6.5の範囲です。モース硬度の10がダイヤモンドですので、非常に柔らかい事が分かるかと思います。ナイフで傷がつく可能性があるほどの硬度ですので、他の宝石が触れる保管方法ですと削れや割れの原因になります。
柔らかいオパールは落としてしまった衝撃で割れてしまったという悲しいお話もよく聞きます。指輪などにオパールがついている場合は、必ず地面に落とさないように気をつけましょう。
また、非常に柔らかい物質ですので”超音波洗浄”は使えません。クリーニングの際はお気をつけください。
オパールを太陽光に当て続けない
オパールの魅力は光の当たり方によって変化する「遊色効果」にあるかと思います。この美しい見た目を長く見ていたいと思いますが、この太陽光もオパールにとっては天敵です。
オパールは水分量が多く、その水分が太陽光によって蒸発することで変色や退色、ひび割れの原因となるためです。過度に注意する必要はありませんが、保管の際に直射日光が当たるような保管方法は避けましょう。
まとめ
今回は宝石「オパール」についてご紹介させて頂きました。角度によって見た目を変えるオパールはいつの時代も多くの人を魅了しています。オパールにも様々な種類があり【ブラックオパール・ファイヤーオパール】は高値で取引をされることの多い宝石です。
今回紹介した以外も違うカラーを持っているオパールもございますので、オパールの魅力はまだ伝えきれていません。そんなオパールですが、年々採掘量が減ってきている宝石です。オパール自体の価値は年々上昇し続けています。
オパールの買取にお悩みの方は、ぜひ買取おりづるにご相談ください。買取おりづるでは、オパールの買取実績が豊富なため他社ではお値段のつけれないオパールにもしっかりとお値段をお付けいたします。
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