ジュエリーを輝かせる宝石。多くのカラーがありますので、自分好みの宝石を選ぶ事ができます。そんなカラー宝石の中でも人気の高いのが「赤い宝石」です。
鮮やかな赤から真紅の色を持ったものまで多く存在しています。今回は赤い宝石の中でも人気の高い宝石をご紹介したいと思います。
赤が魅力な宝石
ルビー
赤い宝石を思い浮かべる上でまず最初に名が上がるのが【ルビー】だと思います。和名で「紅玉(こうぎょく)」と表すように、鮮やかな紅のカラーが人気です。
世界三大宝石の一つであり、7月の誕生石としても知られるルビーは日本でも人気の高い宝石です。
中々知られていませんが、この「ルビー」は世界三大宝石の「サファイア」と同じ鉱物で出来ています。見た目は全く違いますが、どちらも酸化アルミニウムの結晶からなる”コランダム”と呼ばれる同一の鉱物です。
赤い結晶を「ルビー」その他のカラーを「サファイア」と表します。
ルビーの最高峰は、ミャンマー産の「ピジョン・ブラッド」と呼ばれるルビーです。その名の通り、鳩の血を思い浮かべるような深く透明な濃い赤色が特徴になります。
ルビーの年間産出量は世界中合わせても50万カラット程です。多いように見えるかもしれませんが、年間産出量は同じ宝石のサファイアは約2000万カラット、ダイヤモンドは約1500万カラットとルビーがいかに貴重なのかがよく分かります。
そんな産出量が少ないルビーの中でも「ピジョン・ブラッド」はさらに僅かしか産出されませんので、市場では驚くような価格で取引をされます。
過去にはクリスティーズ香港のオークションで、希少なミャンマー産ルビー「クリムゾン・フレーム」が1,830万ドル(約22億4,000万円)で落札されました。
このルビーは非常に美しい15ct(カラット)のピジョン・ブラッドで大きな話題を呼びました。これからの未来に、まだ発掘されていないピジョン・ブラッドが採掘されこの記録を塗り替える日が来るかもしれませんね。
ガーネット
赤い宝石で人気の高いルビーとはまた打って変わった深い赤いカラーの宝石【ガーネット】。柘榴石とも呼ばれるように、まるで果実の柘榴(ザクロ)の実をそのまま宝石に閉じ込めた様な色をしています。
1月の誕生石でも有名な宝石で無色・黄・褐・赤・緑・黒と様々なバリエーションがある宝石です。
濃いカラーと薄いカラーのガーネットがありますが、どちらが良いかというのはその人によって変わりますので自分に合うカラーを選ぶのが重要になります。
ガーネットは宝石の中でも産出量が多い宝石ですので、市場でも安価で取引がされる事が多いです。濃い真紅のカラーが人気ですが、赤と紫が混ざり合った美しい色合いの「ロードライトガーネット」と呼ばれるカラーも人気です。
この「ロードライトガーネット」は別名「薔薇柘榴石」とも呼ばれガーネットのコレクターは必ず一つ持っておく程の人気があります。ワイン色と澄んだ色合いですので指輪やネックレスなど様々なジュエリーに使われます。
ガーネットの硬度はモース硬度で6.5~7.5になりますので、ダイヤモンドやルビー、サファイアなどに比べると柔らかい傾向にあります。その為ジュエリーなどにガーネットがデザインされているものは柔らかい布でお手入れするなど注意が必要です。
ガーネットの種類によって硬度は微妙に変わりますが、どれも超音波の衝撃に耐えられない硬度になりますので、使わないように注意しましょう。
レッドスピネル
赤い宝石の中でも美しく鮮やかな色合いを持っているのが【レッドスピネル】です。宝石にの中でも多くのカラーを持つスピネルは、【赤色系・青色系・紫色系】は勿論、【緑色・オレンジ色・黒色】などの様々な種類のカラーを選ぶ事ができます。
スピネルの主な原産国は、東南アジアのミャンマーや南アジアスリランカが有名です。中でもミャンマーは、レッドスピネルの代表的な産地として知られており、赤く美しい色合いのレッドスピネルが採掘されています。
逆にスリランカ産のレッドスピネルは数が少ない傾向にありますが、その代わりピンクのカラーが美しいものが多く敢えてこちらのカラーを選ぶ方が多いです。
レッドスピネルは、ルビーに間違われてきた歴史があるほど美しく鮮やかな赤色が特徴です。1367年イングランドのエドワード皇太子が大英帝国王冠の際に作られた王冠には”140カラットのルビー”が施されております。
当時は大きな話題を呼びましたが、後の検査によってこのルビーがレッドスピネルだったことで再度世界の注目を浴びたのです。このルビーと間違えられていたスピネルですが、間違われたその後もイギリス王室に受け継がれたそうです。
希少な赤い宝石
レッドダイヤモンド
ダイヤモンドは宝石の中でも人気です。「宝石の王様」とも言われるダイヤモンドは、非常に硬く傷が付きにくいのが特徴です
皆さんの想像するダイヤモンドは無色透明で美しい輝きのものを想像するかもしれませんが、カラーダイヤモンドの中には赤いカラーが存在します。
【レッドダイヤモンド】とは、12色あるカラーダイヤモンドの中でもっとも希少性が高く、価値があるダイヤモンドです。
同じく価値の高いブルーダイヤモンドもありますが、レッドの方が産出量が少なく希少さでいうとレッドの方が高いと言われています。
ダイヤモンドは様々な場所で採掘が可能ですが、レッドダイヤモンドはその中でも数十個という驚くほどの少なさです。
レッドダイヤモンドは赤いカラーが人気なものになりますが、ピンクダイヤモンドに赤味は強く出たものになりますので、ルビーやレッドスピネルのように真っ赤なダイヤモンドではありません。
ほのかに紫がかった物や茶色味がかっているレッドダイヤモンドが大半で、色が濃くなるほど希少性が上がり、その分価値も高くなります。
世界で有名なレッドダイヤモンドは、5.11カラット(1.022グラム)のレッドダイヤモンドで、三角形のブリリアントカットが施されています。
このレッドダイヤモンドは「レッドシールドダイヤモンド(現在はムサイエフ・レッド・ダイヤモンド)」とも言われ、世界最大のレッドダイヤモンドとして知られています。
さらに、世界で3番目に大きいダイヤモンドとして「デ・ヤング・レッドダイヤモンド」というレッドダイヤモンドもあります。こちらは5.11カラットの「レッドシールドダイヤモンド」よりも少し小さめの「5.03カラット」になります。
わずかですが褐色がかったような赤色だった事から販売元はガーネットだと思い販売していたそうです。
購入後あまりに綺麗な石だったことから再度改めて宝石の鑑定機関へと鑑定を依頼すると、ガーネットではなくダイヤモンドだという事が判明しました。
通常のダイヤモンドの場合5カラットは良く見られるものになりますが、レッドダイヤモンドで5カラット以上のものは見るだけでも幸運とも言われるほど珍しいものなのです。
ムサイエフ・レッドは現在個人コレクターの方が所有しているため見ることはできないそうですが、デ・ヤング・レッドダイヤモンドは、アメリカのスミソニアン美術館で誰でも見ることができます。
機会がある方は見るだけでも幸運のレッドダイヤモンドを見てみてください。
ルベライト
【ルベライト】は、トルマリンの一種で、濃いピンクからレッドに色づいた宝石です。トルマリンは多くのカラーを持つ宝石です。そのカラー種類の多さから、宝石の中で一番多彩な色を持つといわれています。
トルマリンの評価で最も重要なのはカラーで、赤色、青色、緑色のトルマリンは高く評価される傾向にあります。 中でも、鮮やかな澄んだ青のトルマリンは「パライバトルマリン」と呼ばれ有名な宝石です。
トルマリンの中でも鮮やかな赤をルベライトと呼びます。ラテン語で「赤い色」を意味する「rubellus」に由来しています。
トルマリンの中ではパライバトルマリンに次ぐ希少なカラーとしてコレクターに人気があり様々なジュエリーに活躍している宝石です。
マンガンを多く含むことで赤味を帯びる為、マンガンの含有量が少なくなるほどピンクに近い色になります。色味が薄くなるとピンクトルマリンに区別される為、ルベライトとは違う宝石になります。
最高品質のルベライトはルビーにも負けない輝きを持ちますが、ルビーほど高額な宝石ではありません。
ルベライトの買取相場は、3カラットのSランクで10,000円前後です。ルビーに負けない美しさを持ちながら安価に宝石を楽しむことができます。
ベキリーブルーガーネット
赤い宝石で人気の高い「ガーネット」ですが、ガーネットにはもう一つ隠された顔があるのをご存知でしょうか?それが、【ベキリーブルーガーネット】です。
1990年代後半にマダガスカル南部のベキリー鉱山で発見されたとされる、変色効果をもつガーネットです。一般的に、ベキリー鉱山で採れたもののみを「ベキリーブルーガーネット」と呼びます。
名前とそのカラーを見ると美しいブルーのカラーの印象が強いガーネットです。しかし、白熱灯やろうそくの火の下ではレッドやパープルに変化するカラーチェンジを楽しめる宝石です。
カラーチェンジの宝石といえば世界三大希少石の一つ「アレキサンドライト」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、「ベキリーブルーガーネット」もカラーチェンジ宝石として人気が高いです。
この二つの宝石はどちらも、ブルーグリーンからレッドやパープルに変化する姿を楽しめますが同じカラット(重さ)のものでも価格に大きな差があります。
アレキサンドライトは1.0ctのもので数十万円〜数百万円の価格がつきますが、ベキリーブルーガーネットであれば数万円〜数十万円の価格で取引をされます。
大まかですが、1/3の価格で購入できる点が、ベキリーブルーガーネットのメリットでもあるでしょう。
ベキリーブルーガーネットとは言いますがあくまでフォルスネームである為、鑑別書や鑑定書に記載される宝石名はカラーチェンジガーネットと記載されます。
まとめ
今回は魅力あふれる赤い宝石についてご紹介をさせて頂きました。皆さんのよく知るルビーやガーネットは勿論、赤い宝石でも様々な種類があるところが宝石の醍醐味とも言えるでしょう。
赤い宝石でも色や透明度、産出国によって全く違う宝石になる為、熟練の宝石鑑定士であっても目視だけで判断はできません。ご自宅をお片付け中に、赤い宝石のアクセサリーやジュエリーがあった場合は「何の宝石か分からないから処分」はしないでください。
買取おりづるでは、様々な鑑別材料を使い宝石を判断します。鑑別書や鑑定書がない場合もご安心ください。
無料査定がございますので、鑑定をしてから売るか決めることも可能です。まずは無料査定で赤い宝石の価値だけでも聞いてみてください。皆さんのご来店を心からお待ちしております。