私たちの身近にある宝石。日本ではダイヤモンドをブライダルジュエリーとして贈り合う事が多いですが、実はダイヤモンドよりも購入がしにくくなっているカラー宝石をご存知でしょうか?
カラー宝石などはアクセサリーやジュエリーなど幅広いアイテムに使われることのある宝石ですが、近年このカラーストーンの価格高騰化が止まりません。
今回は、そんな宝石の中でも価格高騰し続けているカラーストーンについてご紹介をしていきたいと思います。
カラーストーンの需要拡大
ダイヤモンドよりも価格上昇しているカラーストーン

カラーストーンとは、色を持つ宝石の総称になります。
ルビー、サファイア、エメラルドなどの貴石、アメジスト、トパーズ、ガーネットなどの天然石など、多種多様な石が含まれます。
しかし、宝石の中でも人気の高い「ダイヤモンド」とは違い、私たちの身近な宝石ではないカラーストーンはあまり馴染みがないと感じる方も多いのではないでしょうか?
しかし、近年ダイヤモンドよりも入手しづらいカラー宝石の人気が上昇しています。
まず初めにダイヤモンドは幅広い地域で採掘できる点が関係してきます。
ダイヤモンドの原石は、20億年ほど前の原生代初期から6000万年ほど前の古第三紀初期にわたって噴火した特殊なマグマが固まった鉱石になります。
ダイヤモンドの原石を産出する国は20数か国あり、その内ダイヤモンドの採掘量の9割が上位6カ国が占めており比較的幅広い地域で採掘することができます。
しかし、カラーストーンの場合はダイヤモンドとは訳が違い、”決まった地域でしか採掘ができないもの”や”希少価値の高い宝石は特定の地域で採掘したもの(パライバトルマリン)”などに分けられるため希少価値が高くなる傾向にあります。
そんなカラーストーンは、自分好みのカラーを選ぶ事ができる利点や誕生石を身に付けたい方におすすめの宝石であり、同じカラーでも宝石によって全く違う雰囲気を感じる事ができます。
ダイヤモンドの輝きは宝石の中でもトップクラスに美しいものですが、やはり唯一無二の美しい色合いを楽しむなら、カラーストーンを選ぶのも良いかもしれません。
価格高騰の理由

近年カラーストーンの値上がりが話題になっていますが、この値上がりはしっかりとした理由があります。
まず、カラーストーンの高騰要因としてまずあげられるのが【採掘・輸送コストの上昇】です。
近年、宝石の採掘事業では採掘労働者の減少や採掘コストの上昇、輸送コストの上昇が問題視されてきています。
採掘するにあたり人件費や重機などの燃料は下げることができませんので、このコストが宝石の価格に影響を与えていると考えられます。
また、一部の地域では供給量の制限がかけられてしまったものや、津波の影響により海岸沿いの鉱山が崩壊してしまい閉鎖を余儀なくされた鉱山も多くあります。
これによって、一部の宝石は市場に出回る数が圧倒的に少なくなり市場に出回っている宝石の高騰化が起こったのです。
さらに、ダイヤモンド市場の不安定化もこのカラー宝石の高騰化につながってきています。
ダイヤモンドの採掘量トップクラスであるロシアでは、国際的な制裁問題が話題となり、ダイヤモンドの市場は不安定な状況に陥ってしまったのです。
その為、ダイヤモンドよりもカラーストーンの需要が上がり、これが価格上昇のきっかけとなったという説もあります。
カラーストーンは年々採掘量が減少している宝石が多く、質の良い宝石は次々にジュエリーなどに加工されていったケースが多いため、バブル時代などに日本に輸入されたカラーストーンが現在のものより質が良かったという場合も多く見られます。
古くなってしまった宝石など、処分してしまう前にまずは鑑定士にご相談してみるのも良いかもしれません。
注目すべきカラーストーン
世界三大宝石

世界三大宝石とは、ルビー、サファイア、エメラルドの3種類の宝石を指します。
この三つの宝石は様々なジュエリーに採用される場合も多く、さらに誕生石としても有名な宝石である為、カラーストーンの中でも人気の高い傾向にあります。
サファイア
三大宝石の中でも最も人気の高い宝石が「サファイア」になります。
サファイアはコランダムと呼ばれる鉱物から作られており、純粋な状態では無色透明ですがここに不純物が混ざることによって様々なカラーに変わります。
この中で赤い色以外のものをルビーと呼び、それ以外のカラーをサファイアとして分けられます。
その為、サファイアは多くのカラーをもった宝石であり青以外にも【ピンク・イエロー・グリーン・オレンジ・ヴァイオレット】などの幅広いカラー展開があります。
同じサファイアですが、カラーによっても石言葉と呼ばれる意味も変わってきますので、雰囲気もガラリと変える事ができます。
ですが、やはりサファイア=青のイメージが強いのか、サファイアの中でも人気の高いカラーは濃くはっきりとしたブルーが人気があります。
この濃いブルーのサファイアは【コーンフラワーブルー・ロイヤルブルー】と呼ばれ、市場でも高い需要のあるカラーでもあります。
イギリス王室でも、この美しいサファイアを代々受け継いでおり、見事なサファイアジュエリーは世界の多くの人を魅了しています。
ルビー
次に、三大宝石の中でも希少性が高く高額で取引をされる事が多いのが「ルビー」です。
ルビーは先ほども申した通り、コランダム鉱石の中で赤い色をしたもののみをルビーと扱い、クロムを多く含んでいると濃く美しい赤色になります。
ルビーのカラーはまるで血のように濃い美しい赤のものから、淡く美しいチェリーピンクのものまで様々です。
ですが、ピンクサファイアとルビーの違いは?と感じる方も多いかもしれませんが、一般的にはクロムの量でルビーかピンクサファイアに分けられますので、同じカラーの様に見えながらサファイアとルビーに分けられることもよくあります。
ルビーの中でも、ピジョンブラッド(鳩の血)のように鮮やかで濃い赤色のルビーが最高品質として非常に人気の高いカラーであり、宝石業界の中でも非常に高額で取引をされているカラーになります。
エメラルド
次に、三大宝石の中で古来から親しまれてきた宝石が「エメラルド」です。
エメラルドは、ベリルという鉱石の一種で同じベリルの宝石には「アクアマリン」や「モルガナイト」などがあります。
新緑の美しいグリーンのカラーは持っているだけで、心が落ち着き癒しの効果を持った宝石とも言われております。
エメラルドは、古くから富や権力を象徴する宝石として、多くの文化で愛されてきた宝石であり、かの有名なクレオパトラはこのエメラルドを非常によく気に入り多くのエメラルドを身につけていたと言われています。
エメラルドには、主にクロムとバナジウムという不純物が混じっています。この二つの不純物がベリル鉱石に混じり合うことによって美しい緑のカラーが生まれます。
しかし、この不純物の存在はエメラルドの結晶成長を歪ませ、内包物(インクルージョン)を生み出すため、エメラルドには不純物が多く見る事があるのです。
内包物(インクルージョン)は一般的に宝石にとってはマイナスな一面として捉えられ、ダイヤモンドやその他の宝石になるとこの不純物があるかないかで大きく品質に差が生まれる事があります。
しかし、エメラルドはこの不純物は当たり前にあるものとされており、世界のエメラルドコレクターにはエメラルドの不純物がまるで”新緑に覆われた庭”と評価する方もいらっしゃいます。
そんなエメラルドは、日本でも人気の高い宝石であり指輪やネックレスなどの様々なジュエリーに使用される事が多いです。
他の宝石にはない唯一無二の美しいエメラルドをぜひご覧になってみてください。
世界三大希少宝石

世界三大家希少宝石とは【アレキサンドライト・パライバトルマリン・パパラチアサファイア】の3種類の宝石を指します。
これらの宝石は、希少価値が高いだけでなく、美しさや耐久性も兼ね備えている為、宝石の中でも非常に高値で取引をされる場合が多いです。
アレキサンドライト
アレキサンドライトとは、光源によって色が変化する変色特性を持つ宝石です。
日光の下では緑色または青緑色に見え、白熱光の下では赤色または赤紫色に見えます。
この変色効果がしっかり取られるアレキサンドライトは非常に高値で取引をされる事が多く、「昼のエメラルド、夜のルビー」とも呼ばれ宝石愛好家の中では一度は手にしたい特別な宝石になります。
しかし、このアレキサンドライトの最初の産地であったロシアのウラル鉱山は、既に19世紀に閉鎖され鉱石が枯渇しています。
その後もブラジルなどで発見されていますが、こちらも高品質なものが産出されなくなっているため、品質の良いアレキサンドライトは1970年代には既に市場に出回っていなかったとされています。
非常に希少かつ、良質なものは限られていますので、現在アレキサンドライトは宝石の中でも特に価格上昇をしている宝石でもあるのです。
パライバトルマリン
パライバトルマリンは、南国の海のような美しいネオンブルーの輝きが特徴の宝石になります。
良質なものは同じ大きさのダイヤモンドよりもはるかに高額の値がつき、1987年にブラジル・パライバ州のバターリャ鉱山で初めて発見された新種のトルマリンになります。
他の宝石よりも歴史は浅いですが、その美しさはどの宝石にも負けることのない美しい輝きを楽しむ事ができます。
しかし、発見されてからわずか数年で鉱床は底をつき閉山となった記録があり、現在ではブラジルの他地域やアフリカでわずかに取れる宝石になります。
発見された当時では、ブラジル・パライバ州で採掘されたものをパライバトルマリンと呼んでいましたが、近年ではブラジルが閉山したことによって、アフリカやその他の地域で採れたものでもパライバトルマリンと明記する場合があります。非常に希少かつ今後、新しい鉱山が見つからない限りその価値はどんどん上昇していくと考えられている宝石の一つになります。
パパラチアサファイア
最後に、パパラチアサファイアです。
パパラチアサファイアは、オレンジとピンクの中間色を持つ非常に希少なサファイアです。
サファイアは多くのカラーがあると上記でも述べましたが、そのカラーの中でも非常に高値で取引をされているのが「パパラチアサファイア」になります。
スリランカのシンハラ語で「蓮の花の色」を意味し、美しいカラーは他の宝石にはない雰囲気を感じる事ができます。
独特なカラーで美しいパパラチアサファイアですが、その識別は特に厳しく鑑別機関で決められた色よりもピンクが強ければピンクサファイアに、オレンジが強ければオレンジサファイアとなりますので、非常に狭い範囲の色指定になります。その為、非常に希少なことから「幻のサファイア」とも呼ばれ、持つと幸運になるなどの噂がつくほどです。
宝石愛好家の中でも非常に人気のある宝石で、近年ではパパラチアサファイアの採掘の減少から市場に出回る品質の良いものは驚くべき価格で取引をされている場合があります。
宝石の中でも特に高値で取引をされておりますので、お持ちの方は一度鑑定に出してみるのも良いかもしれません。
まとめ
今回は、宝石の中でも価値が高騰しているカラーストーンについてご紹介をさせて頂きました。
宝石はこの世に全く同じものはないと言われているほど、カラーや品質にばらつきがあり、高品質のものは非常に高値で取引をされております。
近年では、鉱山の閉鎖や国際的な問題も相まって、宝石の価値が非常に高くなってきております。
昔購入した宝石は価値がつかないと思っている方も多いかもしれません。
しかし、カラーストーンは世界中で人気のあるアイテムになりますので、処分してしまう前に一度価格をお調べしてみてください。
買取おりづるでは使わなくなってしまった宝石、ジュエリーをしっかりと鑑定させていただきます。
買取にお悩みの際はぜひ一度ご相談をしてみてください。みなさんのご来店を心からお待ちしております。