緑色は、心身の疲労を癒し作用があるとされており、落ち着く色として知られています。そんな美しいグリーンカラーの宝石は多くあり、同じ緑でも全く違った印象を感じる事ができます。今回は、宝石鑑定士がご紹介していきたいと思います。
目次
緑の美しい宝石
美しい緑が特徴の「エメラルド」
緑の宝石といえば「エメラルド」を思い浮かべる方が多いかと思います。新緑を思わせるような緑から、深く濃い緑まで美しいカラーを持ったのがエメラルドです。
古代では人気の高い宝石として多くの人に愛されてきた宝石です。ダイヤモンドやエメラルドは硬度がとても低く加工がしやすいことで他の宝石に比べ人気が高かったのかもしれませんね。
日本でも5月の誕生石や、”エメラルド婚”と言われる結婚55周年を記念して行われるお祝いで贈られる事の多い宝石です。深みがかかった緑のカラーと艶のある輝きが特徴のエメラルドは使う場面に悩む事なく身につける事ができます。
注意点としてはエメラルドはとても割れやすい宝石ですので、強い衝撃を受けるとヒビや割れの原因にもなりますので、身につける時は注意をしましょう。
割れやすいエメラルドに合わせで生み出されたのが、角を僅かに切り落とすエメラルドカットです。市場に出回るエメラルド殆どがこのカットを施されています。これはカッティングの際にかかる圧力を減らしかけや割れを防ぎます。
また、”トラピッチェエメラルド”と呼ばれる希少なエメラルドもあります。トラピッチェエメラルドは、6方向の結晶形が特徴的なエメラルドの一種で”六角形の歯車”に似た六条の黒いラインが特徴です。
1964年に発見されて以来、瞬く間に人気のエメラルドになった「トラピッチェエメラルド」ですが、採掘量は僅かであり通常のエメラルドよりも価値が高い傾向にあります。
「トラピッチェエメラルド」は結晶が成長する際に不純物が混ざり、そのまま結晶と一緒に縦方向に伸びた事で特徴的な模様が現れます。基本丸みをびた「カボションカット」で研磨される場合が多いです。
淡い緑が人気の「ペリドット」
8月の誕生石である「ペリドット」ライムグリーンやオリーブグリーンとも言われる、淡い緑が特徴の宝石です。溶岩や隕石の中、または地球深くのマントルで見つかる黄緑色のペリドットは地球以外の惑星でもその存在が確認されています。
含有する鉄分の作用によって緑色を示すペリドットは、夜間照明の下でも昼間と変わらない鮮やかな緑色を維持したため、ローマ人からは「夜会のエメラルド」と呼ばれるほど人気の高い宝石でした。
さらに、ペリドットには「ハワイアン・ダイヤモンド」という名前もあります。現在もハワイの観光地として人気の高い「ダイヤモンドヘッド」は太陽の光を反射しキラキラと輝いたことでいつしかこの山のことをダイヤモンドヘッドと呼ぶようになったのです。
しかし、後の研究により反射していた鉱石に含まれていたのがダイヤモンドではなく”ペリドット”だったということから、ペリドットは「ハワイアン・ダイヤモンド」という別名を持ち合わせる事になりました。
ペリドットは淡い緑のカラーが人気ですのでネックレスや指輪など様々なアクセサリーに活用されます。金やプラチナのカラーでも宝石に響く事がなくどちらでも相性よく付ける事ができますので自分好みの地金を選ぶ事ができます。
さらに、「夫婦愛、運命の絆」の意味を持つペリドットはパートナーへのプレゼントとして人気の高い傾向にあります。様々なグリーンカラーの宝石がありますが、一つは持っておきたいのがペリドットの魅力なのかもしれません。
くっきりとした緑が特徴の「グリーントルマリン」
トルマリンは多くの人が目にしたことのある宝石だと思います。トルマリンのカラーを想像した時、人によってカラーが全く別れると言われていますがそれもそのはずです。
トルマリンは、さまざまな成分や元素が混ざり合った鉱物グループを総称したものになりますので、1つの石に名前がつけられているわけではありません。その為、トルマリンには「ない色はない」と言われるほど多彩な色があります。
トルマリンの中でも高価な「パライバトルマリン」は青から緑の物がありますが、青が主体のカラーになりますので緑に近くなる場合「グリーントルマリン」と呼ばれます。
グリーントルマリンは黄色や茶色に偏ったものが多く、逆にクロムトルマリンは緑が濃すぎて黒くなってしまう加減が難しいカラーになっております。グリーントルマリンはエメラルドより少し淡い色合いが特徴です。澄んだ色をしていますので「ペリドット」と勘違いされてしまう事も多い宝石です。
グリーントルマリンの中でも、上質なトルマリンのことを「ブルーイッシュグリーントルマリン」と呼びます。青みがかった上品なグリーンが他の宝石にはない輝きを出しています。
カラーの美しいトルマリンですが、カラーが鮮やかな石の場合直射日光によって色が薄れてしまう恐れがありますので、身につけるには注意が必要です。
珍しい緑の宝石
2色を楽しめる「アレキサンドライト」
アレキサンドライトは、太陽や蛍光灯の下では緑色、ロウソクや白熱灯の下では赤色に変化する宝石です。
このカラーチェンジから「昼のエメラルド」、「夜のルビー」、ロシアの皇太子にちなんで名付けられたことから、「皇帝の宝石」とも呼ばれています。
世界三大希少石の一つにも数えられパライバトルマリン、パパラチアサファイアに並ぶ、とても人気と希少性と価格の高い宝石です。
アレキサンドライトの主な産地は、ロシア、ブラジル、スリランカ、インド、タンザニア、マダガスカルなどですが、産出量は減少しており、市場に出回ることも稀です。その為、1カラット以上のアレキサンドライトは非常に高価であり品質の良い物だと数百万円の価値がつくこともあります。
アレキサンドライトは、二色性のカラーチェンジとしての性質を持ち、カラーチェンジがハッキリすればする程、高い買取価格になります。日光の下では緑色がかった青に見えますので、緑の宝石をお探しの方におすすめの宝石になります。
白熱灯の下では赤や紫がかった赤に見えますが、近年では”LED”の普及によってカラーチェンジが見れない状況になってきました。その為、アレキサンドライトのカラーチェンジを楽しむには電球の種類に注意しなければなりません。
希少なカラーダイヤモンド「グリーンダイヤモンド」
グリーンダイヤモンドは、緑色の輝きを放つカラーダイヤモンドの一種で、希少価値が高いことで知られています。ピンクダイヤモンドやブルーダイヤモンドなどは人気が高く見た事があるという方も多いのではないでしょうか?
このグリーンダイヤモンドはカラーダイヤモンドの中でも採掘量が低く中々市場に出回ることがない為、知名度は低いですが希少なダイヤモンドとして人気が高いです。
緑のカラーですが、エメラルドなどのはっきりとした緑というよりも、薄く新緑を思わせるようなカラーです。落ち着いた色合いですのでペンダントトップなどにぴったりな宝石です。
ダイヤモンドですので様々なカットが楽しめ、身につける中で慎重にならずに済むことで日常使いもしやすいポイントも人気の理由でもあります。
注意点としてグリーンダイヤモンドには、天然ものと人工ものがあります。
天然のグリーンダイヤモンドは、地中で何億年もの間、微量の放射線を浴び続けることで美しい緑のカラーが生まれます。しかし、近年では人口処理技術の進歩によって、無色のダイヤモンドを放射線処理をして天然に近いカラーのグリーンダイヤモンドを作る事ができるようになりました。
これによって市場では天然と人工のグリーンダイヤモンドが出回るようになった為、天然だと思って買ったものが人工だったという勘違いが起こるようになってしまいました。購入時には、天然か人工かしっかりと確認することが必要です。
瑞々しいミントカラー「グリーンガーネット」
ガーネットのイメージから多くの人は赤い柘榴のようなカラーを思い浮かべるかもしれませんが、バナジウムとクロムの影響を受けるとグリーンカラーに変わります。グリーンガーネットは、ケニアの自然公園である「ツァボ公園」で発見されたことから、「ツァボライト」という別名も持っています。
グリーンガーネットは、ミントグリーンの明るい色彩が特徴の「ミントガーネット」と呼ばれるものもあります。このミントガーネットは透明度が高く澄んだ色をしているのが人気の理由です。宝石として価値が高いのは純粋な緑色で、透明感があるものがより評価されます。
グリーンガーネットで人気の高いカラーは、上質のエメラルドと酷似した見た目をしており、エメラルドと混同されるような色味ほど評価は高いです。硬度がエメラルドよりも高い為、エメラルドの代用品として選ぶ方も多く市場でも人気の高い宝石です。
エメラルドはインクルージョンが多い宝石として知られていますが、逆にガーネットはインクルージョン(内包物)が少ない宝石なので、安価な品でも濁って見える個体は多くはありません。
近年では、産出される地域が限られ採掘量も減ってきていることでガーネットの中では高値を更新している宝石です。
まとめ
今回は緑カラーが特徴の宝石を紹介させて頂きました。人気のエメラルドから希少性の高いアレキサンドライトなど様々な種類の宝石があります。近年では宝石の採掘量が減り、鉱山の閉鎖などが影響し宝石の価値が年々上昇しています。
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