宝石の王様とも呼ばれ、私たちの身近な存在でもあるダイヤモンド。その唯一無二の輝きは、他の宝石にはない魅力を感じる事ができます。
多くのブランドジュエリーやアクセサリーなどに使われることの多いダイヤモンドですが、近年人工ダイヤモンドの普及や模造ダイヤモンドの市場の流通などによって、一般の方には本物のダイヤモンドの見分けがつかなくなってきています。
今回は、プロの鑑定士が本物と偽物のダイヤモンドについて詳しくご説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ダイヤモンド

ダイヤモンドの基礎知識
ダイヤモンドは、宝石の中で唯一、単一の元素である「炭素(C)」のみで構成され、モース硬度10という圧倒的な硬度を持つことから「世界一硬い石」とも呼ばれています。
光の屈折率が非常に高く、内部で全反射を繰り返すことで他の宝石にはない美しい輝きを放ちます。
その最高級の硬度、美しい輝き、そして希少性の観点から、宝石のなかでもトップクラスの価値を持っており1ct(カラット)以上のダイヤモンドは最低でも数百万円で取引されている事が多いです。
現代では、高値で取引をされているダイヤモンドですが、実はダイヤモンドが発見された当時は宝石のなかでも価値が低い存在でした。
ダイヤモンドの美しい輝きは特別な研磨によって最大限に美しさを引き出す事ができます。
しかし、ダイヤモンドが発見された当時はダイヤモンドは硬すぎて加工が難しかったため、宝石として広く扱われていませんでした。
その為、14世紀にダイヤモンドの研磨方法「ラウンドブリリアントカット」が発見されるまで、ダイヤモンドの原石は捨てられてしまう事も多かったそうです。
「ラウンドブリリアントカット」の研磨方法が発見されると多くのジュエリーブランドでダイヤモンドが使われるようになり、さらなるカットの研究がされ、現在ではダイヤモンドは「宝石の王様」とまで呼ばれるようになったのです。
普段使いのジュエリーにはもちろん、ダイヤモンドは「永遠の愛」や「永遠の絆」の象徴とされ、婚約指輪や結婚指輪にも多く用いられます。
日本でも結婚指輪にダイヤモンドを選ぶ方が多く、毎年ブライダルジュエリー宝石ランキングでは不動の一位を誇っているのです。
ダイヤモンドはカラーも豊富

ダイヤモンドといえば、どんなカラーを思い浮かべますか?
多くの方が「白や透明」を思い浮かべるかと思いますが、実はダイヤモンドは宝石のなかでもカラーの種類が豊富な部類に入ります。
カラーダイヤモンドは、まるでカラーストーンのように美しいカラーを持ったダイヤモンドを指します。
その美しいカラーは多くの宝石ファンを唸らせるほど魅力的で、世界中の宝石愛好家を虜にしてやみません。
一般的にダイヤモンドは無色透明な程、希少でその価値が高くなります。
しかし、このカラーダイヤモンドの場合は特に発色が濃く美しいカラーダイヤモンドを「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼び、時には無色透明のダイヤモンドを大幅に超える値段で取引をされる場合もございます。
現在確認されているカラーダイヤモンドは、12色と言われております。
【ピンク・レッド・イエロー・オレンジ・グリーン・ブルー・パープル・バイオレット・ブラウン・ホワイト・グレー・ブラック】です。
このうち、世界で最も権威のある宝石学の研究・教育機関【GIA(米国宝石学会)】で鑑定されるのはブラウン、ホワイト、グレー、ブラックを除いた”8色”です。
カラーダイヤモンドの希少性は、レッドが最も高く、次いでブルー、ピンクと続きます。
レッドダイヤモンド
世界に数十個しか存在しないと言われ、産出量が極めて少なく非常に高い価値があります。
スミソニアン国立自然史博物館(アメリカ合衆国)には、2.33カラットのファンシーレッドダイヤモンドが所蔵されています。
ブルーダイヤモンド
レッドに次いで希少性が高いとされる色です。色調は「オーシャンブルー」「スカイブルー」「アイスブルー」などに分類され、色が濃く鮮やかなほど希少価値が高くなります。市場に出回っているブルーダイヤモンドの多くは、人工的な照射処理を施して色を引き出したもので、天然の高品質なブルーダイヤモンドは非常に希少です。
こちらもスミソニアン国立自然史博物館にて、45.52カラットの巨大なブルーダイヤモンド【ホープダイヤモンド】が所蔵されています。
ピンクダイヤモンド
カラーダイヤモンドの中でも非常に人気の高いカラーです。
淡い桜色から紫がかった濃いピンクまで様々なカラーを楽しむことができ、「奇跡の宝石」や「完全無欠の愛」という意味を持つとされ、婚約指輪や結婚指輪にも使われることがあります。
かつてはオーストラリアのアーガイル鉱山が主な産地でしたが、2020年に閉山したことで、さらに希少性が高まりその価値は上昇し続けています。
人工ダイヤモンドとは?

人工ダイヤモンドの種類
人工ダイヤモンドとは、研究室や工場で人工的に作られたダイヤモンドを指します。
「偽物のダイヤモンド?」と感じる方が多いかもしれませんが、天然ダイヤモンドとほぼ同じ化学組成(炭素)と結晶構造を持つダイヤモンドになりますので、天然ダイヤモンドと同じ化学的、物理的、光学的特性を持っているのです。
人工ダイヤモンドの歴史は意外と古く、1902年には初めて合成ダイヤモンドが作られました。
初期の人工ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと比べて質が劣っていた事や製造に莫大な費用がかかる事から一般的には注目されませんでした。
しかし、後に高温高圧法を用いた合成法が開発され、高品質の人工ダイヤモンドが生産されるようになり、現在ではダイヤモンドと同じ輝きを持ちながら低価格で市場に流すことができるようになりました。
天然ダイヤモンドが形成されるまでに何十億年もかかるのに対し、人工ダイヤモンドは数週間から数か月で製造されます。
ダイヤモンドの価値はその希少性が要因になっていますので、供給に制限があるのに対して、人工ダイヤモンドには供給量に制約がありません。
人工ダイヤモンドとよく勘違いをされてしまう「キュービックジルコニア」ですが、人工ダイヤモンドは本物のダイヤモンドになるのに対してこちらは「ダイヤモンド類似石」になりますので注意が必要です。
本物のダイヤモンドの見分け方

模造ダイヤモンドや人工ダイヤモンドが市場に流れることによって、本物のダイヤモンドの見分けが難しくなっているのが現状です。
今回は簡単に本物のダイヤモンドを見分ける方法をご紹介していきます。
息を吹きかけてみる
ダイヤモンドの特徴として熱伝導率がとても高く、物質内に熱が浸透するスピードが早いという性質があります。
その為、本物のダイヤモンドに息を吹きかけると吹きかけた表面が一瞬しか曇らずすぐに透明に戻ります。
偽物のダイヤモンドの場合、曇った表面が透明に戻るまでに時間がかかるので見分けることができます。
他にも、熱伝導を利用した確認方法としてダイヤモンドを冷蔵庫に入れてみる方法もございます。
本物のダイヤモンドは冷蔵庫から取り出した後すぐに常温に戻りますが、偽物のダイヤモンドの場合常温に戻るまでに時間がかかりますので、こちらの方法でも見分ける事ができます。
水滴を付けてみる
本物のダイヤモンドには、疎水性(水をはじく性質)があります。
その為、本物のダイヤモンドの表面に水を垂らすと丸く水滴ができ、傾けると水滴のまま落下します。
一方で、偽物のダイヤモンドの場合は疎水性が低い傾向にありますので、水滴を垂らすと平べったく水が広がります。
疎水性以外にもダイヤモンドには親油性(しんゆせい)もありますので、ダイヤモンドに油性ペンなどで色付けすることが可能です。
しかし、こちらは本物のダイヤモンドだった場合、検証するのにリスクがございますのであまりおすすめできる方法ではございません。
ブラックライトを当ててみる
本物のダイヤモンドを見分ける中で最も有名な方法が、ブラックライトを当てる方法になります。
天然のダイヤモンドには、必ず不純物(微量の窒素や水素など)が含まれているものになりますので、ブラックライトで照射した場合青く光ることがございます。
この性質をダイヤモンドの「蛍光性(けいこうせい)」と呼び、本物のダイヤモンドを見分ける性質の一つとなります。
しかし、天然ダイヤモンド全てに蛍光性があるわけではなく、中には蛍光性がみられない本物のダイヤモンドもございますので、”光らない=偽物”と判断をしないようにしましょう。
余談ですが、中々ブラックライトがご自宅にあるという方は少ないかと思います。そこで100円ショップなどにあるブラックライトを照射すると書いた文字が見える文房具がございますので、ダイヤモンドの判断の為に高額なブラックライトを購入するのにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
鑑定士に相談
ここまでは、本物のダイヤモンドかどうかを一般の方が簡単に判断ができる方法をご紹介しましたが、アクセサリーの種類やダイヤモンドの大きさなどによっては簡単に判断ができない場合もございます。そんな時は、ぜひ買取おりづるの無料査定をご利用してみてください。
買取おりづるでは、宝石のプロ鑑定士が在籍しておりますので、本物のダイヤモンドかどうかも簡単にお調べすることができます。
判断が難しい場合はプロの鑑定士に相談してみるのも良いかもしれません。
まとめ
今回は本物と偽物のダイヤモンドについてご紹介をさせていただきました。
数十年前では考えられないほど、現在では人工ダイヤモンドの技術が向上し本物のダイヤモンドと遜色のない人工ダイヤモンドが市場に流れるようになりました。
それによって鑑定書や鑑別書などがなくなってしまったジュエリーなどは、本物のダイヤモンドかどうか判断が難しくなり、一般の人には中々見分ける事が難しく、偽物だと思って処分してしまう恐れもあります。
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