「宝石の王様」とも言われる知名度の高い宝石といえば、多くの人が「ダイヤモンド」を思い浮かべると思います。日本でも、婚約指輪や結婚指輪などで華やかに彩ってくれるダイヤモンドですが、実はその宝石を詳しく知る方は多くはありません。今回はダイヤモンドの「4C」について皆さんに紹介していきたいと思います。
目次
ダイヤモンドの特徴
ダイヤモンドの一番の特徴は、非常に硬く傷が付きにくいのが有名ですね。宝石の中でもトップクラスの硬度を持つダイヤモンドは日常的に使うジュエリーにぴったりの宝石ですが、このダイヤモンドが人々の目に留まるようになったのは、実はここ最近のことでした。
現在ではメリットでしかない”硬く傷がつきにくい”この特徴の裏には研磨がしづらいという問題があったのです。そのことでダイヤモンドは高価な宝石でありながら、他の宝石よりも価値が低いと言われていたのです。
この後、長い歴史を経て様々な研究を重ねた結果、ダイヤモンドは宝石のトップに輝く地位に立ちました。では、このダイヤモンドを輝かせた研究はどんな物だったのでしょうか?
ダイヤモンドの「4C」とは?
ダイヤモンドの研磨(カット:Cut)
ダイヤモンドの輝きは現代でも多くの人を魅了しています。光の入りでキラキラと輝く姿はやはり「宝石の王様」の名に恥じない美しさです。ダイヤモンドの一番重要な輝きは、“CUT : カット”つまり研磨によって決まります。
この研磨の技術ですが、17世紀に案が出された原型を元に1919年にベルギーの数学者兼宝石職人が生み出した、「ブリリアントカット」が一番有名で、ダイヤモンドに注がれた光を最も効率よく光学的に反射させるカットです。
これはダイヤモンドの反射・屈折率を十分に計算し、生み出されたカットですので、一番ダイヤモンドの相性が良いでカットになります。それまでは、硬く透明度の高い宝石だけだったダイヤモンドがこのカットの発明により一躍「宝石の王様」になったのでした。
さて、ダイヤモンドに一番相性の良い「ラウンドブリリアントカット」ですが、カットの評価基準が決められている唯一の形になっています。
現在では「ラウンドブリリアントカット」以外にも「ハートカット」「エメラルドカット」と様々なカットが生み出されていますが、カットグレードがしっかりと定まっているのは「ラウンドブリリアントカット」だけです。
ダイヤモンドのカットは、主に3つが評価項目になっており、全てあわせて「フィニッシュ」と呼ばれます。この3つの項目が「Excellent(エクセレント)」だった場合トリプルエクセレントと呼ばれます。
「カット:Cut」に記される評価
- Excellent(エクセレント)
- Very Good(ベリーグッド)
- Good(グッド)
- Fair(フェア)
- Poor(プア)
トリプルエクセレントが一番望ましいですが、中々厳しい評価ですので、その分購入の際のお値段は高くなる傾向にあります。
ダイヤモンドの透明度(クラリティ:Clarity)
ダイヤモンドは無色透明な宝石ですが、天然の宝石ですのでインクルージョン(内包物)が含まれます。この内包物があるとダイヤモンドの外観に影響を与え、輝きが悪くなってしまうといったデメリットがあります。
インクルージョン(内包物)は通常、カット(研磨)の際に取り除かれる事が多いですが、全て取り除けるわけではないのです。
さらにこのクラリティに影響するのは、ブレミッシュ(疵)と言われる、研磨の過程による欠点を表す外部特徴です。これによってクラリティが変化し、無色透明なのにも関わらず綺麗に見えなくなってしまうのです。
この二つの要素を併せて、透明度(クラリティ Clarity)を評価しダイヤモンドの良し悪しを決めます。
「クラリティ:Clarity」に記される評価
- Flawless(フローレス)
- Internally Flawless(インターナリーフローレス)
- VVS1/VVS2(べリーベリースライトリーインクルーディッド)
- VS1/VS2(べリースライトリーインクルーディッド)
- Slightly Included(スライトリーインクルーディッド)
- Included(インクルーディッド)
一般的に「VS」クラスまでは、国内国外問わず殆どのお店が取扱をしています。「FL」〜「VVS」クラスになりますと希少価値が高くなり、その分お値段も上がる傾向にあります。出会えたら大変嬉しいランクです。
ダイヤモンドの色(カラー:Color)
ダイヤモンドには様々なカラーがありますが、ダイヤモンドのカラー評価は最高ランクであるDからZまでの23段階にわかれています。
何故、「D」が最高ランクなのか不思議に思った方もいるかと思いますが、これには理由があり一番有力な説としては、「現在確認できているダイヤモンド以上にクオリティが高いダイヤモンドが出てきた際にA〜Cのランクをあてれるように」や信憑性が薄いですがダイヤモンドの「D」からきているといった説もあります。
様々な説がありますがこのDから始まる基準はGIA(米国宝石学会)が生み出した基準になっていますので、世界共通認識になっています。
さて、ダイヤモンドのカラーは透明で白く輝く姿を想像すると思いますが、実はそのカラーはクオリティが高いダイヤと言えます。ダイヤモンドの鉱石は炭素でできており、純粋な炭素のみで構成されるダイヤは無色透明で透き通った色をしています。
自然の鉱物ですので少なからず不純物が混ざることがあります。微量な窒素が入ると黄色味を帯びたカラーに変わり、ニッケル不純物などが混じるとブラウンのダイヤモンドに変わります。
この不純物が混ざってしまったダイヤモンドのカラーは一般的に価値が低くなる傾向にありますが、中にはカラーがついたダイヤモンドにも価値が出ることがあります。代表的な例ですとピンクダイヤやブルーダイヤです。
とはいえやはり無色透明なダイヤモンドは希少価値も高くなりますので、高値で取引されることが多いです。
ダイヤの大きさは重さで表す(カラット:Carat)
皆さんがよく耳にする「1カラットのダイヤモンド」という言葉。しかし、1カラットをよく理解している方は少ないかと思われます。実はダイヤモンドの大きさは重さで表されていることをご存知でしょうか?
ダイヤモンドの重さの基準であるカラット(carat)は、1.0ct=0.200g(0.2g)と全国共通で決められています。重さが増えるとダイヤモンドのサイズも大きくなる為、”カラットは大きさ”と勘違いされてしまうことが多いです。
大きなダイヤモンドは小さなダイヤモンドよりも原石から取れる数が少ないので、高値で取引をされることが多いです。重さ=高額という訳ではありませんが、他の4cが同じ評価になった時に重さが多いダイヤモンドの方が評価が高くなるのです。
しかし、一般的に市場で出回っているダイヤモンドアクセサリーには総重量でカラットが刻印されている事もあるので注意が必要です。例えば、「1個で1カラットの重さであるダイヤモンド」と「小粒のダイヤモンドを合わせて重さが1カラット」になる場合ですと、同じ1カラットでも1粒で重さのある方が圧倒的に高額になる訳です。
人工的にダイヤモンドの4C(評価)を上げる方法
人工的にダイヤモンドのカラーを変える
ダイヤモンドは無色透明であるほど価値が高くなる、というお話しをしてきましたが、このダイヤモンドのカラーも人工的に操作できることをご存知でしょうか?
ダイヤモンドのカラーを変える目的で行われる人工処理は、主に「高温高圧処理」と「放射線処理」が挙げられます。この処理を行うと、色が悪かったダイヤモンドを無色にしたり、さらにはカラーダイヤモンド(ピンクやブルー)に変える事もできるのです。
経年劣化がないことや摩擦による色落ちもない為、見た目や使用感は本物のダイヤモンドと大差はないでしょう。しかし、中には人為的処理を隠して売買をする悪質業者もいますので、本物のダイヤモンドよりも圧倒的に安いダイヤモンドには注意が必要です。
人工的にインクルージョン(内包物)をなくす
ダイヤモンドとインクルージョン(内包物)は切っても切れない関係ですが、このインクルージョンがあるとダイヤモンドの評価は下がる事が多いです。そんな、インクルージョン(内包物)でさえも人工的に目立たなく処理することが可能です。
ダイヤモンドのインクルージョンを目立たなくする目的で行われる人口処理は、「レーザードリル」と呼ばれます。その名前のとおりレーザーで穴を開けその穴に強力な酸を流し込むことで、内包物を漂白するのです。
完全に消えることはありませんが、処理によって内包物が目立たなくなることで綺麗なダイヤに見せるメリットがあります。この処理によって美しくなるダイヤモンドですが、残念ながら人の手によって加工された「処理石」になりますので評価自体は下がってしまうのです。レーザードリルホールは肉眼で見える事もありますので、参考にして見てください。
割れ、ヒビがあっても大丈夫?
ダイヤモンドは宝石の中でも、硬度の高い鉱石ですが絶対に割れたり、ヒビが入らない訳ではありません。ダイヤモンドにも力の入り方によっては地面に落としただけでも日々が入ってしまうこともあるのです。
さて、そんなダイヤモンドですが加工途中に大きな傷を持ってしまった時も目立たなくする処理があります。「含侵(がんしん)処理」と呼ばれるこの加工は、鉛ガラスなどの液体を含侵して見た目を改善することができます。
この液体はダイヤモンドの屈折率に近い透明物質ですので、割れ目などに充填しクラリティを上げることを目的に行われます。しかし、この処理を行なってしまったダイヤモンドは人工石に変わりますので天然石の価値を失うことになります。
透明度は天然ダイヤモンドと変わりませんが、人口処理部分に「フラッシュ」と呼ばれる光の干渉が起こり不自然な見た目になりますので、肉眼でも確認できることがあります。
まとめ
今回はダイヤモンドの評価(4C)についてお話しをしてきました。ダイヤモンドは私たちにも身近な宝石ですが、さらに興味を持って頂けたかと思います。ダイヤモンドの評価は主に鑑定書などに書かれている場合が多いですが、「鑑定書を無くしてしまった」「発行されていない」なんてこともあるかもしれません。
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