”美の国イタリア”その美しい歴史と芸術によって生み出されてきた数々の名ブランドは、現代においても人気の高い商品として市場に溢れています。「GUCCI(グッチ)」や「PRADA(プラダ)」もイタリア発祥のブランドです。そんなイタリア発のブランドの中でも近年需要が高くなっている「FENDI(フェンディ)」。名前は知っているけれどそこまで詳しく知らない、といった方も多いのではないでしょうか。今回は老舗ブランド「FENDI(フェンディ)」について詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
フェンディの始まり
イタリアから始まった工房
フェンディの始まりは【アデーレ・フェンデイ】と【エドアルド・フェンディ】の夫婦が始めた小さな工房でした。1925年、イタリアの首都ローマの中心地に創立した、一軒の小さなブティック(工房)に自身の名前「FENDI(フェンディ)」を付けたのが、フェンディの始まりです。
創業から1年経った1926年フェンディ夫妻によって作られたハンドバッグは、当時では当たり前にあった馬車の馬具職人から受け継いだ手法をとり入れたものであり、精密な裁縫と丈夫なバッグは、たちまち話題となりました。
その頃は革製品のハンドバッグは珍しいものではありませんでしたが、その上質な柔らかさとデザインの上品さから多くの人に受け入られたそうです。
このバッグのデザインなどを作成した、フェンディ夫妻の妻【アデーレ・フェンデイ】は、後に世界中で“偉大なる母”と呼ばれる創業者になりました。その思想と魂は、フェンディの経営を引き継ぐ事になる、娘、孫、曾孫へと受け継がれ、いつの時代でも遊び心を取り入れた美しいデザインをコンセプトにしています。
そんな、【アデーレ・フェンデイ】が次に目を付けたのが、「ファー(毛皮)」です。
毛皮を流行に
フェンディがイタリアで工房を開いてから直ぐの事、1927年に発声映画(音声が入っている映画)が上映されました。これによって世界中の人々の関心は、映画業界に向き人々のレジャーとして確立していきました。
この映画業界の影響はファッションにまで及び、多くの人がハリウッドの流行に敏感になっていたこの時代に「FENDI(フェンディ)」はいち早くファッションにとり入れたのです。
当時アメリカのハリウッドで流行していたのが「ファー(毛皮)」をマフラーにして巻くファッションでした。このファーにも様々な種類があり、中々手に入れることのできない種類の毛皮は驚くような高値で取引をされていたのです。
「FENDI(フェンディ)」は、ファーマフラーから着想を得ると、ファーをふんだんに使用したファーコートをデザインし販売を開始しました。この毛皮のコートはイタリア女性の憧れのファッションになり、「FENDI(フェンディ)」の名は国外にも広まる事となったのです。
現代では「ファー(毛皮)」は「動物愛護」の観点から中々手に入れにくい物になり、フェンディでも販売されているのは数種類のみです。
「FF」をデザインに
フェンディは毛皮のコートの販売をする際に、裏地にちょっとした工夫を施しました。1969年、”カール・ラガーフィールド”が毛皮の裏地をデザインをしたのです。それが皆さんもよく知る「F」を上下交互に敷き詰めたデザインです。
「ズッカ柄」と呼ばれるこのデザインは毛皮の裏地にあり動いた時や脱ぐときにチラッと見えるおしゃれに多くの人が心を奪われました。
皆さんこの「ズッカ柄」の「F」にはどんな意味合いが込められているかご存知でしょうか?「FENDI」の「F」を2つ並べたのではないのか?と思われる方が多いかと思いますが、実はもう一つ意味が隠されています。
”カール・ラガーフィールド”はフェンディの毛皮を使う人が楽しくファッションを楽しめるよう「Fun Fur(毛皮を楽しむ)」といった意味を込めたのです。
現在でもこの「ズッカ柄」はバッグや様々なアイテムに使われていますが、毛皮関係なく「ズッカ柄」がデザインされている事も多いです。このもう一つの意味を知ることで少し身近に感じることができるのではないでしょうか。
現在では、ヴィンテージブームによってこの「ズッカ柄」が再注目されています。古いデザインだからと保管したままの皆さんはもう一度ファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
LVMHグループの一員へ
「FENDI(フェンディ)」はここまで好調に知名度を上げてきましたが、残念な事に低迷期に入ってしまいます。1999年経営難に陥っていたフェンディを買収したのが、同じイタリアを代表する高級ファッションブランド「PRADA(プラダ)」です。
これによってフェンディの経営も安定するかと思いきや、残念な事にその経営を立て直すことができないまま、2001年にLVMHに全株式を売却される事となったのです。「FENDI」を救ったLVMHとは一体どんな組織なのでしょうか。
「LVMH」とは?
ブランドに普段から興味を持っている方でも中々聞くことのないこの組織ですが、正式名称はLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)です。頭文字を取って「LVMH」と呼ばれています。ルイ・ヴィトンの親会社ということで、ご存知の方は馴染み深い会社です。
LVMHは、ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、ティファニーといった誰もがその名を知るブランドを傘下に持つ複合企業(コングロマリット)です。
傘下のブランドはファッションブランドだけではなく、お酒で有名な「ドンペリ」や「ヘネシー」といった酒造ブランドもLVMHの一員です。さらにはブルガリやタグホイヤーといった時計ブランドも買収されています。
ただ買収するのではなく、しっかりと経営を持ち直し「FENDI(フェンディ)」も経営難から脱却する事ができました。
「FENDI」ロゴの変化
「LVMH」に買収されてからフェンディはロゴをシンプルなものに変化させました。フェンディのロゴに変化があったことは、若い世代の方は驚くかもしれませんが、フェンディのロゴは過去に3回のリニューアルがあったのです。
1925年 初代フェンディロゴ
まず、1925年「フェンディ」が創立したときに作られたロゴは【木の実を持ったリスのイラストの下に小さくFENDI】が描かれています。
このリスは木の実を集め貯めておく習性から幸運を集め貯めると考えられ海外では幸運の動物として人気があったのです。リスが描かれたロゴは、40年と長い間使われていました。
1965年 初めてのリニューアル
初めてのリニューアルは、1965年。ここから皆さんが見慣れるゴシック体「FENDI」のロゴに変化します。リニューアルされてからは「FENDI」のロゴの上に「ズッカ柄」と呼ばれる「F」を2つ並べたロゴが付きました。
2000年 2度目のリニューアル
続いてのリニューアルは2000年。「FENDI」がLVMHに買収されたすぐの事になります。
初のリニューアルのロゴと大きな違いは、ロゴと一緒にあった「ズッカ柄」が無くなりました。「FENDI」のロゴだけのとてもシンプルなデザインです。
2013年 現在のフェンディロゴ
最後のリニューアルは2013年。このリニューアルを知っている方は多いのではないでしょうか。「FENDI」のシンプルなロゴに[ROMA]の文字が入りました。
これは、創業地のローマにある『トレビの泉』を修復したフェンディはROMAの文字が加えられた現在のロゴへと変わりました。
このロゴ以外にも変わったロゴがありますが、このロゴを一眼見るだけでフェンディの作られた時代を知ることのできる重要なものなのです。フェンディのお持ちの際は、ロゴを見てみると面白いかもしれません。
まとめ
男女問わず人気の高い「FENDI(フェンディ)」は、いつの時代でも流行のその先をいくファッションリーダー的な存在でもありました。その人気は世代を超えて現代でも人気の高いブランドです。
その歴史を見るといつでも好調だった訳ではなく、多くの困難や壁にぶつかりそれでも人々がファッションを楽しめるようにとFENDIの思いを感じる事ができますね。
近年では若い世代に「ヴィンテージブーム」が流行し、「ズッカ柄」や「ペカン柄」が再注目されています。
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どんな状態でも、問題ありません。ヴィンテージのお品物は使い込む事によって生地の風合いが変わってきます。使い込まれているからこその”ヴィンテージ品”という訳です。
その他、経年劣化や傷などがある場合もしっかりと鑑定士が査定をさせて頂きますので、使わないままのFENDIはまず当店にお持ち込みください。
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